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「あ、マルコ!」



たたた…とこちらに駆けてくるのはこの船の紅一点。

エースと先日の戦利品についていろいろと話していると、お目当てが見つかったのか目を輝かせて飛びついてくる。


「どうしたんだよい」
「マルコ、マルコ!不死鳥になって!」

あまり甘やかしてここで不死鳥の姿になれば注文が段々とハードになって行くのは目に見えた。
しかし紅一点、かわいがるはずの妹のお願いは断りたくないのが本当。


「どうしてだよい?」
「いいから、なって」
「理由もなく俺ァ能力は使わねえ」
「ええーっ」


マルコのシャツを引っ張りながらうつむきしょぼくれる姿。泣きはしないがそんな表情を見るのは心が痛む。ましてや原因が自分にあれば。

「いいじゃねェかマルコ。別に減るもんじゃねーし」
「そうだよー…エースは炎見せてっていえば見せてくれるよ」
「お前が甘やかしてんのかよい!」
「いでっ」


マルコのゲンコツがエースの頭にヒットすると隣にいる少女まで吃驚したようで飛び上がっていた。
お前は殴らねェよい、て言ってため息をつく。


「ったく…理由があんだろい?ちゃんと言ってみろ」
「うー…」
「言わなきゃ俺ァオヤジんとこにいく」
「わーわー!まって!言うからぁ」

いかないで、と言ってさらにシャツを引っ張られる。先ほどから掴まれているため動くと伸びてしまう恐れがある。
止まって彼女を振り向くとぽつりと話し出す。


「あのね、笑わない?」
「ああ、笑わねぇよい」
「マルコの不死鳥姿、青いじゃない?ほら、幸せの青い鳥みたいかなぁって」





幸せの青い鳥






「ほほう。じゃあ責任もって俺が幸せにしてやるよい」
「え、えええ?」

(だから抱かせてって言うタイミングが…!)




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*早とちりマルコ!
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