※R15くらい




俺は、俺はどうすればいい。この状況を俺はどう乗り越えればいいというんだ…!

明日が休日ということもあり、一人暮らしをしている俺の部屋に泊まりに来た恋人。晩御飯を食べてゆっくりして、彼女が先にお風呂に入ったので続いて俺も入った。今日はどうやっていちゃいちゃしようか等と考えてお風呂から上がってきたらこれだ。
彼女がベッドで寝ている。

警戒心がないのかなんなのか…いや恋人に対して警戒心を持たれる方があれだが、無防備どころか俺の夜の楽しみを無くすつもりなのか香代…!
膝から崩れ落ち悲しんでみる。そんなことしても彼女が起きてくれるはずもなく。まあ最近、彼女も忙しくて久々にゆっくり二人で夜を過ごせるんだ。疲れもたまっていたのかもしれない。
今日は仕方なく寝るだけにするかと寝息を立てる彼女の顔を覗き込んだ。泊まる日なんかはいつも寝顔は盗み見ているものの、どうしても見たくなってしまう。規則正しい寝息、安心しきった寝顔。かわいいなあ、と頬を興味本位で突いてみる。女の子らしく柔らかい肌にときめいた。続いてベッドで寝ている香代の横に寝転がり、後ろからぎゅっと抱きしめる。いつも触っているけれどやっぱり香代に触るのは気持ちがいい。こういうと「太ってるって言いたいんでしょ!」と怒ってしまうので今でこそ言わないが、言わないだけでちゃんと思っている。女の子独特のふわふわとした抱き心地の良さと柔らかさ。たまらないなあ。
髪に顔を埋めて匂いを嗅いでみる。今日は同じシャンプーを使っているはずなのに、俺とは違った匂いがする。甘くて優しい香代の匂い。ボディソープだって同じものを使ったはずだから、この匂いはきっと香代自身から香る匂いなのだろう。このままいい香りを抱きしめて寝るのもいいかもしれない。きっといい夢が見られる。

…と思ったけど、やっぱり駄目だ。抱きしめてるといい匂いするし変な気分になってくる。久々の泊まりだったから楽しみにしてたし、いきなりのお預けはキツイ。


「……ちょっとだけ、なら。いいよな?」


未だに気持ちよさそうに寝息を立てる香代を仰向けにしてみる。その上に馬乗りになり見下ろす。いつもならこう、押し倒した時点で何か言ってくるものだから大人しくしている姿が新鮮で正直下半身にキた。寝ているのに馬乗りになってみるという、いつもと違う状況が相まって俺は変な気を起こしそうだ。違ったもう起こしてた。
まずはそう、胸に触ってみる。服の上からふわっと触れると何もつけていない胸の感触。寝るときは基本的に下着はつけないらしいので服のすぐ下は素肌だ。ぐにぐにとあまり力を入れないようにして揉みしだく。少しずつ、少しずつ形を変えるように触っていけば中心が硬くなってくるのが分かった。服越しでも硬くなっているのが分かるそれを、痛みを与えぬように指先でひっかいてみる。

「っんぅ……」

喉の奥から声が漏れる。服越しの刺激で起きてしまったのかと思ったが、反応をしただけで意識は覚醒していないらしい。再び聞こえる小さな寝息にほっと息を吐いた。
服越しに硬くなった先端を少し遊ばせ、いつもであれば見れないものをじっくりと頭に焼き付ける。直接見るのも興奮するけど服越しに感じていることが分かるというのが新鮮だ。本当、いつもならここら辺で殴られててもおかしくない状況に涙しそうになる。
揉んでいた手をいよいよ服の中に忍ばせてみる。すべすべの腹部から胸へと撫で上げ直接揉みしだく。指先が先端へ掠り、ふ、と熱くなり始めた息を吐く香代。調子に乗って服を捲ってみると外気に晒されたからか、香代は身をよじらせた。


「んッ…ふ、あ」
「香代…?」

起こしてしまったかと名前を呼んでみるも返事はない。寝ぼけたままで声を出していただけらしい。それでも色っぽい声を出されると止まるもんも止まらなくなってしまう。ふわふわと胸を堪能してこんな、声を聴いて、止まれるはずがないだろう。
指で弄っていた胸にゆっくりと舌を這わせる。生暖かいそれに一瞬ビクリとはねて見せたがまだ起きない。先端を口に含み小さく音を立てて吸いながら、胸全体を手で大きくゆっくりと揉んで。起きてしまうのが怖いので甘噛みはしない。けれど歯でゆるくひっかけると小さく声を上げる香代が可愛くて数回した。
ちょっかいを出しながら様子を伺ってみれば、心なしか頬が赤い。それに先ほどよりも熱い息を吐いていて、起きていないからこその新たな彼女の表情に胸が高鳴る。薄く開いている唇に吸い付きたいと思いながら、その先に待つ熱く柔らかい舌の感触を思い出して我慢をする。

こうなると好奇心が止まらない。あえて起こすのもいいかもしれないがもう少し味わっていたい背徳感。
俺ってこんなにスリル味わう性格だっけと思い返しながら穿いているズボンに手を突っ込み、下着が見えるまでずらす。あ、この下着可愛い。なんて頭の中で思いながら下着越しに触れてみれば湿っていた。これは期待できるかもしれないと今度は下着に手を突っ込み、秘部の割れ目にそって指を乗せればくちゅりと指に絡まる粘液が。


「うわ、すげえ濡れてるし」

こんな状態でも濡れるんだ。…わ、どうしようマジで勃っちゃった。
寝巻を押し上げるまでに勃っている自身は完全に準備万端である。それも指先に絡む粘液と自身をどうするか考えながら、ゆっくりと彼女の中へ指を埋める。先ほどよりも確かに濡れてることを、そしてダイレクトに分かる熱さを感じ若干の後悔の念を覚えながら抜いた。流石にやりすぎたと思い自分を落ち着かせるために深呼吸を三回ほど。ふ、と息を吐き終わった後に勃ち上がった自身を見つめてため息を吐く。


「いれなければ、…いいだろうか」


目の前の香代をおかずに自慰をしても構わないが、折角この場に在るものを使わずにはいられない。寝ている香代の脚を開いて間に入り込む。大腿を抱えるようにしながら、寝間着越しに勃起した自身をあててみる。ゴクリ、喉が鳴るのを自覚し、恐る恐る押し付けて柔らかく脚で挟んでみた。
……あああああ!無防備に寝ている香代に!俺は!ナニを押し付けているんだ!
胸を触ったことから今までのことで罪悪感が積みあがっていることは間違いない。しかしこの昂る気持ちを抑えられないのも事実。押し付けた自身は柔らかく挟まれて硬度が増した。申し訳ないと思いつつそれが反対に硬くした。現実とはなんと無情なことだろうか。手で顔を覆い俯くも、もう遅い。良さを知ってしまったのだ。

押し当てるだけでもよかったのだが、どうしてもここまで来たらしてみたい。よくAVでもある寝てる子に挿入…まではいかずとも、素股で自慰くらいしてみたい。いざ!と腰を動かしてみるが、お互い寝間着越しであるため物足りなさを感じた。
心を決めて既に完勃ちしている自身を寝間着、そして下着から取り出す。香代の寝間着も脱がし下着が露出する形に。素股と言いつつ下着越しなのは、いくら付き合っているとしても寝ている恋人の下着を脱がすまでの勇気はなかったから。
感じているらしい香代の湿った下着に向けて露出した自身を押し当てる。ぐりぐりと先端を押し付ければ先走りに濡れたそれが外側から香代の下着を濡らす。あ、なんかすごいことしちゃってる俺…というのもここまで来ると一種の興奮材料で、「はあ、っん」と自然と声が出てしまっていた。
濡れているからだろうか。柔らかさに加えて温かさも伝わってくる。敏感に感じる自身に腰を動かす。ぬこぬこと吸い付くような感覚を残しながら擦り合わせた。やばいな…ここまで来たら挿入したくもなってきた。好奇心とは恐ろしい。怖いと思いながらもしてみたくなる感覚は余計に自分を興奮させるだけ。込み上げてくる熱い息と早くなっていく鼓動。寝ている香代は今どう感じているのだろうかと顔を上げて確かめた、その時。


「あ」

眠っているはずと、先ほどのように頬を赤くして乱れた呼吸になっているだろうと思ったはずの香代はそれはもう目をぱっちりとあけていた。下半身で一人勝手に興奮をし、剰(あまつさ)え他人の下半身を使って自慰をしているとなればその視線はとても痛いものを見るものであった。
蔑んだように眉間に皺を寄せた香代に背中に嫌な汗が伝う。動かしていた腰は当然止まるし、抱えるようにして触れていた大腿部の手の力は抜けていく。自分を見ていながらも何も言ってこない香代が恐ろしく、意を決して声を掛けてみることにした。

「お…起きてたんですか…」
「………」
「い、いつ、いつから」
「バッッッカじゃないの」

思わず敬語で話しかけてしまった。そして返ってきた言葉は思った以上にドストレートなもので、自覚のある心に無慈悲にも深々と刺さった。バッカじゃないの、バッカじゃないの、バッカじゃないの…幾度も頭の中でリピートされる言葉。「何をしているんだお前は」という意味と、「一人で興奮してるとかありえない」という意味を含んだ口調だったためか普段怒っているときよりも怖く感じた。
それ以降も言葉を発しない香代の様子を伺うように顔を覗き込めばでこピンをされる。爪があたってとても痛い。とても、痛い。


「何でこんなことになってるのか説明してくれるよね?」


そういわれれば返す言葉は一つしかない。だってこれ以外にありえない。俺は香代の肩を勢いよく掴み、意気込んで簡略且つ適切に言った。そんな顔で寝てる方が悪いんだろ!と。



可愛い寝顔の君が悪い!




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15.02.08.
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