海賊 | ナノ

愛を積み上げる



熱い息が私にかかり、私も応えるように熱い息と嬌声をあげる。溶けるように熱いからだは伸ばされた四本の腕に支えられて。
息も絶え絶えな私に押しつけるような口付けをしたのは赤髪の彼。
まだ支えが必要な身体に手を這わせたのは金髪の彼。


「はあ…っはあ、っん、…は、」

毎夜繰り返される遊びに、感覚が麻痺し始めたのはいつからだろうか。
この時が続けばいいと思い始めてしまったのは、一体、いつからだっただろうか。
何が満たされれば私たちはここから抜け出せるのだろうかと、言葉にしないまま闇雲に探していた。

誰がくれるの、何をくれるの。
ここから抜け出すには、この“遊び”というには深すぎる交じり合いを終わらせるには、何が必要で何をしなければいけないの。

このまま積み上げていけばいつか崩れて、なくなってしまえるだろうか。






怠い身体を二人の手が這う。一人は強引に、一人は遠慮がちに。
されるがままに口を塞がれ、深く深く意識を絡め取られていく。汗ばむ肌を撫で上げる大きな手は胸を中心に動く。適度に私を感じさせながら動く二人にゆっくりと応える。

「ん、ちゅ…んう」
「は…、もっと、絡ませろ」
「あっ」

私の後頭部を支えてキスをするキッド。乱暴に見えて意外と丁寧に、気持ち良いキスをくれる。私から舌を絡ませてあげれば、もっともっと気持ち良く。息を乱して吸い上げてくれる。鋭い目に熱を潤ませ見つめてくれる。
ゾクゾクと背中を走る何かに頬が熱くなっていく。

「…っ、ティナー」
「んふ、あ、っ」

胸に触れていたキラー。露出されている胸、既に主張をしている乳頭を指が弄くりまわす。ぐりぐりと押し潰すようにしたり、指先で転がしたりしていた。
静かに這う舌の存在を認めればその後は早く、柔らかく温かい舌が乳頭を刺激する。

「…っ、ふ、…んあ」

キッドと舌を絡ませ合いながら胸元にあるキラーの頭を抱き抱える。綺麗な髪を指で梳き、指の間を流れる金色を横目でみた。

「余所見すんじゃねぇ」
「だって」

キッドばかり構ってたら可哀想でしょう。
空いている手でキッドの唇を撫で、頬を撫で、首筋に沿って手をおろす。そうして胸を愛でてくれているキラーの頭を再び軽く抱き、声を抑えながら息を吐く。
金髪から覗く、普段は滅多にみれない耳を指で弄くれば肩を揺らして反応した。それがなんだか楽しくて続けて触ると、キラーの胸の攻め方が何だか急にいやらしく変化する。

「っはあ、ん、キラーぁ」
「ちゅ、ん、…なんだ」
「もっと」

もっともっと、私を感じさせて。胸だけじゃない、直接触って気持ちよくして。
まっすぐ私に触れているキラーが気に食わないのか、キッドも入り込んで2人にくまなく身体中を撫でられる。ふわ、と感じるだけの愛撫。なかなか核心には触れてくれないもどかしさ。小さく感じる指先や背中、ふくらはぎなんかにキスも落とされ、全身にキスしたんじゃないかと思うほど。

もっともっと触って、と懇願した私に、2人が楽しそうな笑みを浮かべて向けたのはいつもと変わらないことだった。






じゅちゅ、ぢゅる、

口に含むのはキッドの立派なモノ。唾液で柔らかく、優しく包むように、だが適度に口をすぼめ圧を掛けて吸い取って。

ぐぽっ、ぬちゃ、

後ろから、突き出したお尻に挿入されているのはキラーのモノ。離さぬよう、搾り取れるように膣をきゅっと締め付ける。

前から、後ろからと責め立てられることにより、私の下は随分と濡れている。キラーが出し入れする度に粘着音が鳴り止まない。
私の口の動きがへたくそだとキッドは遠慮なく腰を動かしてくる。大きなキッドのモノは私の口に全部はいることは難しい。
しかし無理矢理押し込むために、喉の奥へガツガツと当たる。噎せて涙目の私にニヤリと野生の視線を向けるキッド。ああ、その瞳が好き。射抜くような、強者の瞳が。

「っんん、う!」
「喉奥に突かれて涙ためて、顔赤くしてんじゃねえよ」
「ふう、う…ん、む」
「そんなにいいか?俺が?キラーが?」
「ふ…、ぁ」

振動で落ちてきた髪を耳に掛けられ、そのまま耳、首筋とかけて手でなぞられる。顔の熱が増すのを感じながら顔を賢明に動かした。
硬くなっているキッドからは次第に先走りの液が出、苦みに顔を一瞬だけしかめたが止めずに舌を器用に使う。

「んんっ んー!」
「っあ、は、…俺にも、感じてくれ」
「う、んっ、ぅ、あ、」

バックで攻め立てるキラーは私の腰を掴んで挿入速度を少し速める。
口に突っ込まれて出し入れされるのと、膣に突っ込まれて出し入れされるのと、上下両方に攻められる私に逃げ道はなく。ただ上から、下から与えられるものをダイレクトに、素直に受け止める。


「キラー、少しティナーのこと考えてやれ」
「…それを言うならキッドもだ」
「俺はちゃんと考えてるぜ?」
「お前は自分とティナーのことしか、考えてない、だろうっ」
「ん、んん、んっ」


キッドの自己中心的な行動に苛立ったキラーはその苛立ちをぶつける。キッドを咥えている私に腰を打ち付け、もがくような声を求める。
そんなキラーを見ていてもキッドは私の頭を固定し、口を離すことはさせない。キラーからの腰打ちに足らず、キッドも腰を打ち付けた。

「ふ、ぁあっ、ひっひょ…」
「ああ?」
「んんー!」
「んだ、泣くほどイイか」

苦しそうな表情にキッドは喜ぶだけ。必死に苦しいことを主張しても止めてくれない。けれど同時に私の頬を撫でる手は優しい。鋭い目も欲情で潤ませて、いつもより私を見る目がどこが愛おしくて。
じゅる、唾液を溜めながらキッドのモノを強く吸い上げる。後ろからのキラーの刺激に頭がクラクラするけど、それでも意識を飛ばさぬように。

「ンだ、急にその気になりやがって」
「ん、ふ、う」
「仕方ねぇな…そろそろ、口ン中にだす、ぜ…ッく」


どくん。
口の中でキッドのモノが震え、先から液が勢いよく出された。喉に直接かかった為に噎せる。全て飲み込んでしまおうとしたが噎せた拍子に口端から零れ出てしまう。

「零してんじゃねえ」

顎を伝う白い液がキッドの指により、口の中へと押し戻される。おいしくないそれ。零れたなら零れたままにしてほしいが、キッドがそれを許さなかった。
キッドの欲が吐き出された後はキラー。もう口に咥えていないので声が十分に出せる。

「キラーを楽しませてやれ」
「ん…」
「…いくぞ、ティナー」
「うん…っ」

出し入れされるモノに声を上げる。膣壁が締めつけて、逃がさぬように絡みついた。

「あ、ア、 あっ」
「っく、締めつけすぎだ…!」
「やあッ だっ…て、気持ちいのおっ」
「はあ、っつ、あ…う、」

ぐちゅぐちゅと鳴り響く粘着音。イイトコに当たるキラーを何度も締め付けながら、迫り来る快楽へ身を委ねようとする。
いよいよ意識が飛びそうな、身体の中を何かが駆けめぐるような感覚を覚える。

「んあ、だ、めえ…!あ、あ、いっちゃ、いっちゃう…っあああ」
「く、そっ…、ん!」
「あ、ああ、ァ、あっ!ぁあ、」
「ぅ、っ!!」


中からずりだし、私のお尻へと液を出す。暖かいそれが肌を伝うのはすぐに感じた。
はあはあと肩で息をする。それは私もキラーも同じで。背中に倒れるようにして抱きついてきたキラーに、私も下に身体を崩して倒れた。
首筋に唇が這い、敏感な肌は大きく揺れる。同時に甘く息を吐き、小さな声は空気に消える。


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