海賊 | ナノ

はじめてどうし



キッド海賊団に入りまして、私、恋人というものを持ちました。相手はというと船長のキッドではなく、キッドの相棒みたいな戦友みたいな人、キラー。
恋人という存在が初めてだから勿論身体を重ねるのも初めてだったわけで、キラーは私の初めてをほとんど持ってったのだ。

身体を重ねるのは嫌いじゃない。…かといって好き!ってわけでもないけれど。でも定期的にあの快楽で溺れる感覚がほしくなる。
そして今日も溺れるのだ。



「んっんっ…っぁ、ん」

キラーがベッドへ座り、私がその上に後ろ向きで跨る。後ろからキラーに抱きしめられながら、下から突かれている。

「は、ああっ、ん、んっ」

ベッドの横にはいつもキラーのしている仮面が置いてあり、今キラーは素顔をさらしている。常に私を抱くときは顔を見せてくれていた。
しかし今はどうだろう。キラーの顔が見えていれば安心なのだが、後ろ向きで跨っているし振り返ろうともなかなか向かせてくれない。ちなみにバックは顔が見れないからあまり好きではない。

「ぁ、あっ…きら、っふ、あ」
「…どうした」
「や、…っも、いく…っ」

びくん、びくん、と身体が震え、中のキラーを締め付ける。顔が見えなくて不安だが突かれているしイく時はイくのだ。…不安なのにイくだなんて不本意だと思うけれど。

「はあ…はあ…、ん、」

イった事によりだるい感じが全身を襲う。さっき指でイかされたから二回目だ、なんて思う。後ろからも荒い息づかいが聞こえてくる。正直言ってこの体勢で下から突くのって大変じゃないのかなって思うんだけど…。
とか考えていると抱きしめていた腕が離れて私を前に押し倒す。

「ひゃっ」

前屈みになりお尻を突き出すように倒れた。ベッドが軋み、あ、やばいと思うと同時に後ろからぐちゅりと言う音が鳴る。

「んんん!」

中に入ってくる感覚。呑み込む重さ。
お尻を掴まれズンズンと腰を打ち付けられる。

「はあっ…ん、ぁ、あ、ん!」

後ろから突かれて小さくない胸がたゆたゆと揺れる。その振動すら今の私には快楽へと導く一つの手段だし、後ろから覆い被さって胸を控えめに揉まれるのだって私を追いつめる。

「あ、あ、キラー、っん、あっ…っぁあ!」
「…は、ぁ…ティナー……っ」

あ、だめだ…やばい。なんか、イきそうだ。まだだけど、波がもうすぐくるような、もやもや感。気付いて、と思うけど言葉が出なくて小さくあえぐしかなくて、目の前のシーツをぎゅっとつかんだ。
するとキラーの動きが止まり、抜かれてくるんと上を向かされる。キラーの顔が視界に入り、少し安心する。


「すまない、二回もイかせた。俺がイくまでにはさすがに…な」
「まだ、だいじょうぶ」
「…そんなことをいったら止まらなくなるぞ」
「え!」

いつも私の様子を見て加減をしてくれているキラーが、まさかの止まらなくなる発言。驚いて上半身だけ起きあがった状態になってしまう。

「いつまでも抱いていたいほどだ」
「や、うんそれはちょっと」

明日が心配かなあ!なんて。
いつまでもとか、絶対もたないし明日どうなってるかが恐ろしいよね。きっと使い物にならなくなってるよ、腰。

「…加減はする」

そう言って上半身を倒し、開かれた足の間に体を埋め込んでゆっくりと動き出した。
キラーにこうやって見下ろされるのは、すごく興奮するんだ。Mじゃないかと思うけど、そこまで痛いの好きじゃないからさわり程度、がいいな。
そう、私の全てがキラーに支配されているようで、この人が私の全てなんだと、この人にとらわれているんだと思えるからだろう。


「っく、ぁ、んんあっ」


起こしていた体を倒し、私の体をキラーの大きな手が滑る。
頭、耳、頬、唇。首筋を通って鎖骨、そして胸へ降りていく。私の胸に口づけをする前髪のかかったキラーの顔を両手で捕まえる。私の行動に驚いたのかキラーは動きを止めてしまった。

「どうした」
「顔…」
「顔?」
「ん…顔、やっとみれたなぁ、って。キラーの瞳、きれいね」

キラーの頬を両手で包み込む。そっと零れてくる金色の髪を払いながら、目尻に親指を当てる。きれいな瞳に私だけが写る。

「…男にきれいなどというな」
「事実だもん。髪も瞳も、キラーはステキなの」
「………もう、いい」

ちゅ、と私が次に言葉を紡がぬよう、唇で優しく遮る。私にかかる金色の髪が、また肌をなでる。


「…っあ、ああ!」
「変なことを、いうから…だ…ッ」
「ぁ、だめ、奥…!っんん」

私のほめた言葉に照れたのか、照れていることを気づかれたくないからか、キラーは角度をつけて私の奥へと侵入する。

「ほら、見えるだろう」
「ッばか…!みせない、で」
「…締め付けがよく、なったが」
「気のせい!」
「まあいい」

腰の動きを一旦止め、枕を私の頭の下へ滑り込ませる。こ、これじゃあ結合部丸見えなんだけど…。

「……あつい…ッ」
「ん、ん! ぁ、ああっ」
「っおい、締めるな…!」
「ぁ、ばか、こんなにしたのはっ…キラー、でしょ!」

出し入れされるキラーのそれに、わたしの中から溢れる水音は嫌でも目にはいる。でもなんだかそれを想像するだけで恥ずかしいし、何ともいえない気持ちになり、自然と締まっていたらしい。

「ん、あ、ぁあ、あ」
「…っく、ああ、ティナー」
「ひゃあっ?! あ、ダメっ…ぅ、んん!」

そろそろか、キラーの腰の動きが段々と早くなっていく。打ち付けも強くなり、私も締め付けが強くなる。意識しなければそのまますぐにイってしまいそうな、限界に近い状態だ。

「あっ あ、んんう、ああ!」
「は、ぁ…、っん、あ、っ、」
「ん、キラー、ぁ」
「ティナー、っああ、も、…っぐ、」
「ひっあ、ああ、あ、あっ」

ちゅ、と胸元に唇を這わすキラー。それに敏感に反応してしまうあたり、私は末期なようだ。こんなにも全身で感じてしまう。
はあはあとキラーの荒い息が肌に触れ、揺さぶられていけば、もうすぐそこに白が迫る。


「あ、や、イく…!っ、ああああ!」


ふるふると小刻みに震えれば、強く締まった私の中でキラーが幾度か腰を打ち付ける。その後にずるりと引き抜かれ、私の下腹部に置かれたソレからは白い液が。

「は、ぁ…はぁ…っ」
「ん、ね…キラー?」
「…ど、した」
「ちゅう」

未だ息が整っていないけれど、キラーの唇を欲していた。私に垂れている金色の髪をクイっと引っ張り、口を近づける。互いの息がかかる距離まで、簡単に近づいた。

「ん…」

くちゅ。整わない息のまま舌を絡めていく深いキス。ちょっと身体を抱きしめるように近づければ、私の下腹部に当たるキラーのソレ。あれ、元気になるのはやくない?

「…ティナー」
「うん?」
「もっと、いいか」

押し付けられたソレに、足を軽く広げて受け入れる。またグッと締まるなかに、先ほどの余韻でピクリと身体全体が反応する。

「ぅ、あ…っああ!」
「、は…あ、ティナー…」

抱きしめられた腕の中でキラーがそっと私に囁く。お前のような女は初めてだ、と。
…それは良い意味でとっていいのかしら。




はじめてどうし

(はじめての意味は微妙に違うけどね!)



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キラーむずかしい。

2011.11.13.
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