声にならない恋をした―レナ→魅←圭


圭一君って馬鹿だよね。
と、目の前の女は非常に冷めた眼を向けて俺に言った。


「なん、だよ、いきなり」
「魅ぃちゃんは女の子なんだよ、だよ?それを、圭一君は解ってない」
「何言ってんだ、魅音が女か男かってくらい俺にだってわか」
「解ってない!解ってないから、ああいう残酷な事平気で言えるの。魅ぃちゃんはへらへら笑ってるけど、本当は傷付いてるんだよ」


何を、当たり前の事を言ってるんだ、レナは。男はあんな巨乳に成ろうたって成れるもんじゃねぇぞ。
いやいや、そんな事よりも、何で、第三者にんな忠告みたいな事をされなきゃならないんだ?


「魅ぃちゃんを誰より解ってあげられるのは私。魅ぃちゃんを誰より好きなのも、愛してるのも、守ってあげられるのも全部、」


レナ、だけなの。
そう宣言するように言って、レナは嘲笑する。愚かな俺を見下すように。


「圭一君、馬鹿なひとは、これ以上出しゃばらないでね。レナの邪魔をしたら、許さないから」


何を言ってんだ。何で、牽制みたいな事されてんだ。
確かに魅音と居ると楽しいし、魅音は好きだが、それは友達としてで、別に、俺は。


「あ、圭ちゃん。廊下に突っ立ってどうしたの?もしかして、知恵先生にお説教でも頂いちゃったかな〜?」
「そんなんじゃねぇよ」
「あれ、ほんとにどしたの。顔色悪いよ」


ああ、どうして。こういう時だけ惨たらしくも莫迦な俺の心臓は仕掛けられた爆弾が爆発するように、いとも簡単に、歯車を回して終うのだろう。
ふわりと、魅音の甘い髪の匂いが鼻腔をくすぐって、心音をやけに鳴らす。

きっとレナの言葉は警告だったのだ。俺の中に芽生え始めようとしている淡いものへの。
ああ、チクショウ、上手く表情が動かせない。魔術師の癖に、言葉が上手く紡げない。

誰か、嘘だと言ってくれ。





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