世界の全てを拒絶した


「来るなっ…!」

激しい拒絶の声が自分の鼓膜を震わせる。
ベッドの上でシーツにくるまり表情は分からない。けれど叫ぶ声は震えていて、どうしても放っておけない。
パタンと入ってきたドアを閉めればこの部屋は彼と自分の二人だけ。
それを感じ取ってなのか、彼はビクリと肩を震わせる。

「や、だ…っ。来るな、触るなっ!」

近寄ろうとするのを制止する様に叫ぶ声。その声を聞く度に胸が締め付けられる。

自分だけ痛みを抱え込み、世界を守ろうとする孤独な勇者。そんな姿を見るのは嫌だった。


「フェルナンド…。無理、しなくてもいいんだよ…」

ゆっくり。一歩、また一歩と踏み出し彼に近付く。
反応は、無い。しかし警戒を解いた様には見えなかった。

それでも彼に近付き、ベッドに腰を下ろす。重みでシーツに皺が寄る。
彼はさらにシーツを深く被り、表情を覆ってしまう。その上からそっと撫でてやると布越しではあるが、彼の少し弾力のある癖毛の感触が伝わってくる。




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続き書きたいなー




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