そもそもヴァージンロードを定番の純白を纏って歩く事にそれほどまで絶大な憧憬を抱くことすら理解し兼ねる。いや、まぁ、紙切れ一枚お役所に出してはいおめでとうございますってのも侘びしいけどさ。

「パール」
「ん」
「綺麗ですね」
「そーだな」

無論、俺のことを言ったんじゃない。偶然通り掛かったチャペルの参列に見とれて吐露した言葉だ。梅雨明けの炎天下、強い日差しに目を細めながら垣間見た紙吹雪の中心にいる主役の両人は確かに眩しい。美しい。それに、嗚呼。

「結婚、かぁ。案外悪くないかもなー」
「パ、パール!その、嬉しいです」
「は?」

トスン。突風で軌道を逸れたブーケが花嫁から数十メートル先にいた俺達の元に降下する。咄嗟にキャッチした俺をよそに、お嬢さんは何故だが頬を赤らめて向かいの書店へ駆け込んだ。


(あの、たった今プロポーズされたのですが!今月号のゼクシィ頂けますか!)






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