全てが始まったらあの日。

さよならも、またねも言えずに俺は歩き出した。目指すものは同じでも、自分の
道を歩こうと決めたから。でもそれは立ち止まって振り返ったりでもしたら崩れ
てしまいそうな決意。本当は弱くて今にも崩れ落ちそうなのに、決意したばかり
だと自ら叱咤して、自分で自分の全てを抱きしめた。



「どこに行くんだ?」
「どこに向かうんだ?」



無言の叫び。本当はあいつが気になって仕方がないのに、意地と決意が交差して
聞けず終い。同じものを目指してるはずなのに、その先ばかりが気になった。も
し目的を達成できたら、繋がりはなくなってしまうんだろうか。巡る時間に子供
ながら恐怖を覚えた。
だけどひたすら見ていないふりをして、ひたすら気付かないふりをした。それが
日々を平和に生きることが出来る最良の方法だと思ったから。言われる言葉で『
自分は傷付いていない』と思いながらもそれを享受した。辛くて、悔しかった。
だから俺は傷付いた分、他人を傷付ける。冗談じみていながら、本気で言葉を吐
く。
きっと吐き出せばどろどろしたものがいっぱい出て来て足元をぐちゃぐちゃに濡
らして俺を暗闇に引きずり込むんだろう。
『君には無理だ。おいで、おいで』、奥底から声が聞こえる。ずっと昔から手招
きしてる。幾度と飲み込まれそうになる。


それでも未来の事だけを考え、前を向いた。本当に辛かった時も前を向いて進め
た。きっと最後には小さく「大丈夫だよ」って、レッドが笑ってくれるから。レ
ッドは俺の為に笑うから。だからどんなに俺はぐちゃぐちゃでも、


あぁ俺はそれだけで生きていける、と思う。


そう笑ってくれるだけで前を向いて生きていける、俺が大切だと小さく、優しく
言うから。例えどんなに暗い闇でも、俺はこれから先も自分自身という闇に打ち
勝てる気がするんだ。

なんて。







「グリーン。



「うん?」



「昔より、格好良いよ。」



「…サンキュー。」








気付いて。気付いて!!




大切なモノはすぐそこに。







寒田ひしぎ>>漆黒メテオ

こんなに長く書いたのは正直久しぶりでした。しかしそれほど長くない事件が起
こりました。まさか…!
見直しはしたのですが、フェスだからか緊張してわけのわからないところが多い
かもしれません、すみませんすみません!!しかもちょっと内容が(^^)みたいな
感じですが愛がたくさんつまっ(以下略)
そして誕生日おめでとう!(発売日的な意味で)


主催者様、この度は企画に参加させていただきありがとうございました!
ご縁があれば、またよろしくお願いいたします。





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