妖しく光るNの瞳、
刹那、Nの放つ冷凍ビームによって氷漬けにされるタブンネ、


俺の思考回路が一瞬にして止まった。




第七話。





「ミュウウッ!?」
あまりの不意打ちに為すすべもなく凍っていくタブンネ。
「タブンネ!」とすぐさま駆け寄ろうと動かした身体は、Nの血塗れた両腕によって動きを封じられた。


「(Nの力が暴走しているッ)」


その傷だらけの身体のどこにそんな力が在るのかと戸惑ったが何てことはない、彼はポケモンの血を継いでいるのだから。




Nの苦しげな顔が此方を向く。
「ブラック…君…」と呼ばれたその後に、もう一度Nの瞳が妖しく光った。
じゅるり、とNの舌なめずりする音が聞こえる。



「(これは………………誘惑ッ!?)」



ポケモントレーナーなら誰しもが一度は拝見させられる技、誘惑。
それをNは今使っているのだ。



「(何故技マシン技の誘惑を、野生のNが!?)」
そう考えていたが最後、くらりくらりと効く、Nの誘惑に思考が鈍くなってきた。


「N…駄目、だ…。そんなこと…したら…」


説得力の無い俺の言葉。
ああ、もうNのことしか考えられない。
Nが欲しくて仕方がない。
欲しい、欲しい、欲しい。
こんなに興奮するのは初めてだ。
我慢できない。
全テガ欲シイッ!!!!



(Nの全てが今すぐ欲しい!)



「はぁっ…はぁっ」と苦しそうに息をするNの唇を奪う。
深く深く、脳までも抉ってしまいそうな深いキスをして、鉄の味がするNの唾液を啜った。

「はっ…むぅ、…ちゅ…」

「えぬ…っ、れるっ…くちゅ」


その行為を続けながらも、白くて綺麗なアブソルの毛に隠れたNの逸れを取り出し、いきなり強く扱いた。Nは「ああああーーッ!」と喘ぎ叫び、嫌々と首を振った。
早急に快楽を得たかった俺はズボンを下ろし、早く入れたいと自己主張をする俺の自身を無理矢理Nの穴に入れ、出入りを繰り返す往復運動を開始する。


「あ、あッあッうぁあッ、ひッ、あぅッ!」

「N、Nッイクぞッ!」


ドクン、とNの中に注がれる俺の浅ましい欲望。
俺は迫り来る快楽に耐えるため、Nを抱きしめた。




「あ、うぅ…」とNの口から漏れる声。
その声で俺の意識は覚醒し、はっとして気が付いた。


つぅ、と流れるNの涙。尚も注がれ続けている俺の欲望を受け止めながらNは「きもちいい…」と苦しげに言った。
最早、操り人形のように自分では動けない程力が無く、度重なる酷い仕打ちや激しい体力の消耗により死にかけていた。


俺は「ごめんッ!」とNを抱きしめなおす。
ごめんなさいで済むのなら何回だって言おう。
しかし当然ながらそうはいかないのだ。
現在もNの体は痙攣し、紡がれる言葉はあまり呂律が回っていない。



「N、大好きなんだ…っ嫌いにならないで…、死んじゃ嫌だっ…」


「ぶらっく…くん」


「ずっと一緒にいようああああっ…」







「ボク…も、大好きだよ…。ずっと…一緒に…いよう?」



告白、守れない約束

(嗚呼、神様。ボクは守れない約束をしてしまいました。)











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