×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -


「みんな同罪です…!」


アンブリッジの高い声が部屋に響き渡った。部屋の猫もニャーと鳴いて鬱陶しい。

顔の青ざめたハリーを、アンブリッジは椅子に座らせ杖を向けると、尋問官親衛隊が部屋にずかずかと入りこんできた、ジニーやルーナまで捕まっている。

そのなかにいるはずのプラチナブロンドの男が見えなかった。


「クラッブ、ドラコはどこ?」

「知らない」



全く使えない奴らだと思いながらも再度アンブリッジを睨む。
アンブリッジは気にもせず、ハリーを椅子に座らせると顔を近づけて猫撫で声で言った。



「ダンブルドアに会いに行こうとしたの?」

「違う」

「嘘をいい!」



ハリーが反抗すると部屋には渇いた音がこだました。ハリーの左頬にアンブリッジは平手打ちをしていたのだ。
痛々しい音の後、聞き慣れた声が聞こえた。スネイプだ。


「お呼びですかな校長?」

「えぇスネイプ、答えを聞き出さねばなりませんの、抵抗しようともね。真実薬は?」

「校長が生徒の尋問に使ってしまいました。チョウチャンに使ったアレが最後で…」



私もハリーも、その言葉に耳を疑った。チョウが真実薬を飲まされていたなんて思わなかったからだ。ハーマイオニーは首を落とした。

スネイプが続けて言う。


「もっともポッターに毒薬を飲ませたいならお気持ちはわかりますが、お役には立てませんな」


スネイプが出て行こうとすると、ハリーは形相を変えて必死に訴えた。



「パッドフットが捕まった。あの人に、アレが隠されている場所へ!」

「パッドフットとはなんなの?隠されてる?何を言っているの?」



アンブリッジに賛成するわけではないが、パッドフットが何かは私にもわからなかった。誰かのコードネームか何かだろうか?

スネイプはハリーを見つめたあと、目を開かせて「サッパリですな」といい、部屋から出て行ってしまった。アンブリッジの目は意識が薄れてはっきりしないのか、朦朧としている。



「結構……。ほかに手はありません。この件は魔法省の安全の問題です、貴方が私をこうさせるんです。磔の呪いで舌も緩むでしょう」


アンブリッジの口から出た言葉にまたも耳を疑った。禁じられている呪文を生徒にかけようとしている目の前の、仮にも先生である女の性格はとてつもなく歪んでいた。


「そんなの違法だわ!」


ハーマイオニーの言葉にも反論をせず、アンブリッジは部屋にあったコーネリウスの写真を伏せた。


「コーネリウスが知らなければ問題にはなりません」

「私たちが見てるわ!あんたが今やろうとしていること全て…!」


ハリーに杖を向けていたアンブリッジは、レディーへと向きを変えた。


「・・・貴女はいつも私をこけにしてきたわね。貴女には服従の呪文をかけてあげるわ」

「やれるもんならやってみなさいよ!あんたになんか絶対服従しない!」

「インペリ…」


アンブリッジが杖を上げた時だ。呪文が止んだのは彼が彼女の腕を掴んでいたから。


「ドラコ…」

「王子様気取りかしら?ドラコ・マルフォイ!どこかで見たことあるシチュエーションね。そう、私の初めての授業でもあなたはこうやってレディー・エジワールを庇った…」


アンブリッジが顔を強張らせて言うなかドラコは冷静だった。恐怖で腰を抜かしたレディーの手を取り立ち上がらせる。



「レディーに呪文をかけるなら、僕にかけて下さい」

「ドラコ!な…何馬鹿なこと言ってるの!?」

「レディーを守るのは僕の役目だ。もう苦しむ必要なんてない」

「言われなくてもしてあげるわ、フフッ…!」


アンブリッジが杖を上げ、ドラコがレディーを自分の背に回すのと同時にハーマイオニーは叫んだ。



「言うのよハリー!!」



突然叫んだハーマイオニーに、アンブリッジは驚いたのか杖を降ろし、その姿を見つめる。ハリーはなんのことか全くわからないようで、目を開かせている。
恐らくハッタリだ。アンブリッジを騙すための。頭のいいハーマイオニーならではの小技だと感じた。



「何を言うの?」

「言わないなら私が言う!アレのありかを…」

「なんのありかですって?」



アンブリッジの顔はますます恐くなる一方だ。ハーマイオニーは息を切らせながらユックリと言った。


「ダンブルドアの秘密の武器よ」



その場にいた人はハーマイオニーの言葉を疑った。


(さすがハーマイオニー学年一の秀才)
prev next
back