30 days
モデル級に整った顔とスタイル。いや本当にこれ何頭身あるんだろ。悔しいから数えたことないけどさ。
「なに」
「何もありませんー! 今日もきれいな顔してんなこのやろ!」
「どーも」
はっ、と笑われた。むかつく。こんなん言われ慣れてんだろうなーと思うと同時に、なんでこんなきれいな男が平々凡々な私と付き合っているのかわからない!
「結依さん」
「なに」
「ちょっとそのパンツ貸して」
「は? なんで」
「足がどれほど長いのか試してみたい」
「……相変わらず」
続く言葉は意味が分からない、とか、馬鹿だな、とか、そんなだろう。嫌そうな顔すらきれいとか何の嫌味だ。まあ言い出したら聞かないのをよくよく知っている結依は履いていたそれを貸してくれた。部屋着に着替えて呆れたように見てくる。
「足なっが!!!」
「うるさい。ていうかなんで俺のシャツも着てるの」
「ついでだから」
「なんのついで」
はあ、とため息をつきながら。なぜか近寄ってくるので、一歩下がる。
「なんで逃げたの?」
「いやなんとなく不穏な感じかなって」
「その勘の良さは悪くないんだけど」
迫ってくる結依と逃げる私。残念ながら割とすぐに背中が壁にくっついた。
「悪くないのは勘だけなのかなー?」
「ん? その格好も、悪くないかな」
言いながらシャツの裾から冷たい手が滑りこんでくる。え、え、いやいやいや!
ちょっと待って、待ってってば!