窓の外は大降り。
誰も出かけるつもりはない。
響は窓際のソファを陣どり、窓の外を見つめている。

「早くやまないかなー」

雨音は銀の部屋にも響いていた。
本を読む手を止めて窓の外を見つめる。
この雨では訪問できない。
彼に会いに行くのは魔術を使わず自分の足で、を自分に課している。

「…雨がやんだらどこに連れて行ってやろうか…」

倖は夕飯の用意を一度止めた。
雨は屋根を伝い地面に落ちていく。
窓ガラスを流れていく雫を見つめ倖は小さくため息をついた。
出かけられない。

「雨が止んだら、会いに来てくれますか・・」

郁は刀の手入れを一度休めた。
屋根を叩く雨の音も聞きあきた。
郁は音楽機器を探すために立ち上がる。
窓に近づけば灰色の空から無数の雫が落ちてくる。

「やれやれ…結構なことだ……暇で仕方がない」

商店街の屋根の下、暁は傘を差したまま立っていた。
雨のせいで逢えない。
暁はむすっとした表情のまま歩き出す。

「まったくうっとうしい…早くやめばいいのに」

聖はスタジオの外を見つめた。
前から降り続いていた雨はようやくやみそうな気配を漂わせている。
私服に着替えた聖はかばんを肩にかけて更衣室を出た。
お疲れ様でーすという声がかかり、それに返事を返してから傘を手にする。

「雨、早くやまないと僕怒っちゃうんだからね」

ミカナギは着物を着付け準備をしていた。
いきおいのあった雨は雨脚を弱めている。
そろそろ出かけられそうだ。

「……ようやく会えるよ…・…君」

ミカナギが家を出ると雨のせいで家に閉じこもっていたメンバーも出かけ始める。
響はお気に入りのかばんにチョコレートをたくさん詰めてよし、と準備を終えた。

「いってきます!」




雨のあとには晴れがくる。
晴れがきたらあなたに会いにいこう。
雨降りDays
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