立海には、美人猫と言われ、有名な猫が2匹いる
一匹は白猫、もう一匹は藍色の猫
二匹はたまに、教室で二人、話していることかあった
「最近よく俺のところに来るね、ゆき」
「ん−、暇だから」
せいいちが、自分の席で本を読んでいれば、もさりと膝に感じた感触
原因は分かっている
ちらりと膝を見てみれば、やはり、ゆきの頭が乗せられていた
「またたびアイス食べたいって言ってなかった?」
「今日はいいの」
のんびりとした性格のゆきは、たまにこうして引っ付きに来る
「そういえば、ぶんたがまたたびクッキー持ってたけど?」
「今日はまたたびクッキーな気分じゃない」
「あかやもまたたびパン買ってたな−」
「パンの気分でもない」
「またたび香水のお店が駅前に出来たって知ってる?」
「知らない」
こんな時は、大好きなまたたびを使っても、動く気にならないらしく
自分の傍にいる彼を見れば、嬉しくなった
さらさらの白い髪と、時折音に反応してパタパタと動く耳に触れれば
顔を上にむけるゆき
「正直に、俺が好きって言えよ」
周りに見えない様に、ふわりと触れた唇
多分君は、これでも気づかないだろうな
END
(なんだよ、せいいちお腹すいてるの?またたびクッキー食べたいなら一緒に買いに行ってやるから、僕の唇食べないでよ)
(本っ当鈍いな、お前)