木の下で本を読む事は、俺の好きな時間

今日はゆきと一緒に読もうと約束していたのだが
時間になっても、ゆきはまだ来ない

約束を破る奴ではないのだが、誰かに捕まったのか
またたびに誘惑されたのか

まあ、遅れても来る奴だから、先に本を読みながら待っている


「…?」


そんな中、風が揺れたかと思えば本に影が出来、途端に

ガサガサッ!!!!

と、背にしていた大きな木の枝がしなった


「…何やってるんだ、ゆき」

「はは…、時間、ぎりぎりセーフ?」


うわっと言う声が聞こえたかと思ったら、自分の上に降ってきた白猫


「遅れてもいいから、ちゃんと歩いて来い」


それは、待っていた彼で

どうやら待ち合わせ時間に遅れそうだと言うことで
窓から木に飛び移り、着地に失敗したらしい

ゆきらしいが…


草や木の枝と共に、自分の膝の上に落ちて来たゆき

このまま何事もなく起こすのは勿体ない


「遅れた罰は、キス一回で許してやる」


起き上がり、ふるふると顔を降りながら葉を落とすゆきの頬に手をやれば
エメラルドグリーンの瞳と目が合った


「れんじ、怪我したのか?」

「…は?」

「あ、手、切れてる」


一般的な、口にキスをしろと言う意味だったのだが
相変わらず、鈍い

れんじの親指に、切り傷を見つけたゆきは、そこをぺろりと舐めた

それはキスとは言わないだろう?



END

(これでよし!)

(まぁ、今日はこれで我慢するか)




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