「主人公が人間になったら」


 


僕が猫の時、柳はよく僕の耳にキスをしてきた

それは、僕が人間になれる様になった今でも変わらない


「名前、おいで」


夕食の後は、柳の勉強の時間

暇な僕は、おとなしく猫になってベットで寝ている

時計の音と、カリカリと文字が書かれる音が響き、パタンとノートが閉じられる音がしたかと思えば、振り向いた柳


「みゃぁ−(勉強、終わったの?)」


正座をした柳が、膝をぽんぽんと叩いて名前を呼べば、名前はトトトっと柳の元に走って行った

差し出された柳の手に、ふわりと頬を擦らせれば、ひょいっと柳に抱き上げられる


「遊ぶか?」

「みゃぁ−(うん!)」


柳の勉強が終われば、日課のねこじゃらしタイムだ

やっと構って貰える


名前を見れば、にゃーにゃーと鳴きながら嬉しそうに見上げてくる
そんな名前がかわいらしく、俺は思わず名前の耳へとキスをした


「や、ややや柳っ!」


その途端、ぽんっという音と共に、人間化した名前

柳の口は、名前の手で押さえられている


「ふ、どうした?」


片手ではキスされた猫耳をぎゅっと押さえ、顔を赤くしている名前

どうしたなんて、聞かなくても言いたい事はわかっているが

ふわりと微笑む柳は、楽しそうだ


「それっ…、止めて?」

「何故?」


名前が猫だったら、確実にネコパンチが飛んで来ていただろう

押さえられた指の隙間から、柳が返事をすれば


「だって、僕、男だよ?」


柳を見上げる名前は、恥ずかしそうに言った

猫でも、人間になっても、変わらず綺麗な青い瞳と薄紫色


名前の手を口から離し、耳からも手を外した柳は


「俺からこうされるのは嫌か?」


と、赤い瞳を覗かせて名前を見つめる


「嫌…、じゃないけど…」


柳に抱きしめて貰うのは、安心出来るから好きだが
耳にキスされるのは、恥ずかしい

柳の瞳に絶えきれず、ぽふっと柳の首筋に顔を埋め、目をつぶれば


「ふ、分かった、やめない」

「に゙ゃ!」


肩に手を回した柳に、再び耳へふわりとキスされた



END

(いい加減、慣れないか)

(慣れないっ!)



::あとがき

「分かった、やめない」
セリフ提供:Mr.Prince様より

ゆずき様からリクエスト頂きました!
企画でリクエスト頂いたのですが、企画の内容を変更いたしましたので、こちらで書かせて頂きました

リクエストは、crazyforyou番外編で、猫まこがよく柳に耳にきすされてるのを、人間バージョンでお願いします。柳はSっ気が強いほうがうれしいです。との事でしたので、書かせて頂きました!
ちょいS?柳さん 人間化した名前を膝に乗せてちゅ、という絵を想像して書きました^^
ゆずき様リクエストありがとうございました!

お粗末様でした





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