デジカメのデータ
柳は部活中、デジカメでよく写真や動画を撮っている
中身はもちろんテニスをしている部員達の姿で
そのデータは部員指導によく使われていた
いつもは柳が管理をしているので、勝手に中身を見る者はいないが
その日、切原は
部室の机でノートを開き作業をしていた柳の傍にあったデジカメに気付き、興味をもった
「あ!これいつも柳先輩が使ってるやつっすよね!」
「ああ、そうだが」
「中見てもいいっすか？」
にこにこと微笑む切原は、柳の前の椅子に座った
柳が苦笑すると、切原に気付いたのか
柳の股の間に寝転んでいたまこが、机に手をついてにゅっと顔を出す
「部員の写真に興味があるのか？」
「まあ、勉強の為にっと言いたいところっすけど、まこの写真ないかなーとか思って」
画面に目を落とし、切原はデジカメを起動させた
柳はふと微笑みまこを撫でると、ノートに再び文字を綴り出した
「ああ、あるぞ。部活中の奴が」
「ええ!まじっすか!どこに!？」
「フォルダがあるだろ」
「ありました!」
まこフォルダと書かれたフォルダを開くと
沢山のまこと部員達の写真が羅列された
切原が楽しそうに写真を一枚一枚見ていると
まこも気になったのが、机を渡り切原のところへ移動してくる
「みゃぁ(なになに？）」
「お、まこも一緒にみるか？」
画面を覗き込むまこと一緒に写真を見ていると、そこにはまこの写真だけでなく
レギュラーや他の部員達と一緒にいるまこの写真も映っていた
「うわ!これいつの間に撮ったんすか!」
「みゃ(僕も知らない!）」
順に開いていくと、もちろん切原の写真もあった
撮られていたのは、部活終わりに部室で切原が寝ている姿
机に突っ伏している切原の横では、まこがぴとりとくっつき眠っている
「あー。たしかこの時、まこの蹴りで起きたんすよねー。俺」
次を開くと、バッチリその姿も映っていた
柳先輩、絶対笑って撮っただろこの時…!
END
他にも写真は沢山あった
柳先輩がまこの耳にキスをしているいつもの光景(誰が撮ったんだ？）や
真田副部長がまこを抱いて微笑んでいる姿(もう慣れた）
柳生先輩が本を読んでいるのをまこが邪魔している姿
丸井先輩とジャッカル先輩とまこがねこじゃらしで遊んでいる姿
仁王先輩がまこと一緒にサボっている姿
幸村部長がまこにネコパンチされている姿
他校のもあったが、癪なので言わない。
第十一回拍手御礼小説