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七夕


 


いつも通り立海にてテニス部の練習が行われていたその日


「すっげー笹じゃん!」

「こんなのいつの間に運んだんだ?」


部活の終った部室はいつも以上に盛り上がっていた
その原因は、ミーティングルームの隅に立てかけられていた笹
その他にも短冊や飾り、折り紙などもあり
部室からミーティングルームを覗いた丸井とジャッカルは嬉々とした声を上げた


「力強い笹だろう?さっき、真田の御祖父様が届けてくれたんだ」


先に着替えを終え、ミーティングルームに居た幸村は面白そうな顔で椅子に座る丸井に
机に頬杖をついたままにこりと微笑んだ


「今日は七夕だからな。今からお前達にも短冊に目標を書いてもらう」


幸村の前に座り、短冊に目標を書いていた真田も手を止めると丸井達に目をやる


「その前に丸井!ジャッカル!お前達は早く着替えてこんか!!!」

「そんなの後でいーだろぃ!へー、いろんな短冊があるんだな!よっしゃ、んじゃ俺はこれだな〜」


真田の喝もなんのその
星形の短冊を取った丸井は幸村の隣へと腰を下ろした
溜息をつきつつ丸井の隣へジャッカルが座れば、にっと笑った丸井はジャッカルに短冊を渡す


「ジャッカル、お前これに書けよ」

「なんでこんだけいろんな形がある中で丸を選ぶんだ」

「じゃハートとかどう?」

「死んでもそれには書かん!」


にやにやと丸井が笑う中、ミーティングルームには続々と人が集まって来た


「なんだ、もう始めていたのか」

「みゃ(わ!笹だ!)」


着替え終えた柳に抱かれたまこ


「ピヨ。なんじゃおまんら、部室におらんと思ったらこんな所で短冊作りか?」

「そういえば今日は七夕でしたね」


それに続き、仁王と柳生


「部長−!ハサミとかノリとか、いろいろ借りて来たッス!」


それぞれ席につくと、最後に切原が大量にハサミやらノリやらを抱えてミーティングルームに入って来た


「おやおや、ハサミやノリはひとつでよかったんだけどね」


今年も全国制覇!
常勝立海!
無病息災
少々固い短冊が並ぶ中…
プリッと書かれただけの短冊もある


「仁王君!真面目に書きたまえ」

「ピヨッ。柳生のは固すぎじゃき。そんなんじゃ天も味方につかんぜよ」

「今年も、俺の天才的ボレーで全国制覇してやるぜ、と!」

「今年こそ、No.1になる、と!」

「赤也、目標を高く持つのはいいけど、まずは柳に勝たないとね」

「ふ、No.1は遠そうだな」


星、長方形、ヒヨコ、花、丸
いろいろな形の短冊が笹に飾られていく


「わっかの飾り作ろうぜ赤也!」

「いいッスね!」

「あまり下に飾りをつけるなよ、まこは絶対引っ掛かる」

「ピヨッ。柳何書いとるん?」


丸井達が短冊を飾りつけている中、柳は長方形の短冊を選ぶと習字の墨を取出した
膝の上にいたまこの脇へ手を入れ、持ち上げると
肉球に墨をつけ、ぺたぺたと短冊に肉球を3つくっつける


「好き嫌いがなくなりますように、体が大きくなりますように、食欲旺盛になりますように」


別の短冊に移って…


「怪我をしませんように、病気をしませんように、あとは…」

「欲張りすぎぜよ、柳」

「それって、まこの願いっつーより柳の願いだろぃ?」


最後のひとつは決まっている

まこと

"ずっと一緒にいられますように"



END
笹にはこれでもかというほど短冊や飾りが飾りつけられ、中にはもちろんまこの肉球短冊もあった


(ピヨッ。ほーれまこ、魚じゃ)

(みゃ(わ!仁王!テープでくっつけないでよ!取る時痛いんだぞ!))

(プリッ。ほれ、猫じゃ、ほーれ星、キラキラ)


丸井達が飾りつけをしていれば、仁王は折り紙をいろいろな形に切ってひとつをまこに張り付けた
残りはまこに乗せたり机に並べたりしていると、前の席から手が伸びてきて、それはべしっと銀髪に押さえ付けられた

(仁王)

(プリッ。俺の銀髪は銀河の輝きじゃき、よう似合うじゃろ)

仁王の頭にくっついたのは金色の星

その後、レギュラー達の頭にもそれは伝染して行った

(幸村には花がええかの)

(弦一郎にはテニスボールでもつけておくか)

こうして、七夕の一日は賑やかに過ぎていきました



第十回拍手御礼小説










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