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柳家のこたつ


 

季節は冬になった
最近急に寒くなり、柳家では
春にまこの為に張替えた床暖房は大活躍している
そしてもうひとつ
日本家屋に似合う、この時期になると柳家で活躍するものがあった


「帰りました」

「お帰りなさい蓮二さん、寒かったでしょう?」


部活を終え、柳が家に帰りリビングに向かうと
そこにはいつの間にかこたつが出されていた
朝までは普通のテーブルだったのだが
どうやら柳が学校に行っている間に出したらしい

毎年恒例のこたつにちらりと目をやり、柳がリビングを出ようとすれば
持っていたもふもふの猫用鞄がもぞもぞと動き出した


「みゃぁー(あれ、こたつが出てる!)」

「ふ、どうした?」


寒いこの時期は家に帰るまでまこは
鞄の中に入れてある柳が中学の時に使っていたマフラーで暖をとっている
マフラーを頭に絡め、へにょりと耳を折りながら鞄から顔を出したまこに
柳がふと微笑み立ち止まれば、まこはじっとこたつを見た


「後でな」


多分、まこはこたつは初めて見るだろう
こたつが気になっているらしいまこに
柳はふわふわと頭を撫でてやると自室へと戻った

普段ならば夕食まで部屋にいる柳だが
着替えを済ませると柳は読みかけていた本を持ってまこと一緒にリビングへ向かった


「みゃぁー(柳柳!ふわふわしてる!)」


リビングへ行けば、夕食の支度をしていた母は
珍しくリビングに出て来た柳に
まだ夕食の時間じゃないわよ?と不思議がったが
柳がまこを連れて来ているのを見ると
なるほどと微笑みキッチンに戻った

柳がリビングへまこを降ろしてやると
まこはとととー!っとこたつへ走っていく
やはりこたつが気になるのか、布団をもさもさと踏み
頬をすりりと擦りつけてはころんと床に転げ落ちるまこに
柳は無意識に微笑み、まこの隣へ腰を降ろした


「ふ、中は暖かいぞ?」


布団をめくれば、暖かい熱が漏れる
柳の声にぴくりと反応したまこは
こたつの中に脚を入れた柳の膝に手をつき、ちらりと中を覗き込んだ


「みゃぁー(あったかい)」


顔が寒かったのか、まこは柳の膝に座り
こたつから零れ出る熱に気持ち良さそうに目を細めた


「入らないのか?」


なかなか中へ入らないまこに柳は持ち上げていた布団を放すと
まこを抱いて寝転んだ
胸元にいるまこにも布団がかかる様に肩まで布団を引っ張り
近くにあったクッションを適当に枕変わりにすると
首元に顔を埋めるまこを柳はふわりと抱きしめた
脚がこたつの外へ出ない様に、変な体勢になるがそれもそれで寝やすい

部活の疲れや、こたつの暖かさ、そして胸元でぴとりとくっつくまこが安心させたのか
数分後には、柳もまこもこたつでぐっすりと眠ってしまった


END

(流石まこね)

(うん、本当に!小さい頃でも蓮二ったらこたつで寝た事なんてなかったのに)

(まこはぽかぽかが大好きだからね、ふふ、まこに誘われたのね)

(これじゃ蓮二絶対しばらく起きないわよ、ぐっすり寝てるもの)

(じゃあ、先に食べてましょうか)


第五回拍手御礼小説








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