そんな日の優越感




白やピンクを基調とした、きれいなお部屋。
マスターとぼくのお部屋。
せっかくきれいなお部屋だけど、マスターは窓もカーテンも締め切って、まっくらにするのが好きみたい。
見えるよ、見える。
ぼくには見えるよ、そんな日は、マスター心の中までまっくらなんだ。


「最悪、最悪、最悪最悪最悪最悪……っ」


そういうとき、マスターはぼくをぎゅーっと抱きしめてくれる。
そしてふたりで、お話するんだ。
今日あった嫌なこと、悲しいこと、悔しいこと、憎いこと。
マスターはとても寂しそうな顔をするけれど、ぼくはこんな日、嫌いじゃないよ。


「あー、もうヤダ、ヤダヤダヤダ!みんな死ねばいいんだよ、ほんと」


世界でマスターとぼく、ふたりきり。
そんな気分になれるんだ。
だからね、ふたりで秘密のお話。
そんな世界に近づくための、ないしょのお話。


「ほんっと、あいつも消えてくれないかなー、この前の奴みたいに」


ねぇ、マスター。
その人の名前を教えて。
ぎゅーっと近くで、ぼくにだけ。




そんな日の優越感
(また明日、ふたりきりに近づくよ)
(10.10.03)


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