「知らなかったなぁー。」
「んっ、く…うぅ…っ!」
「まっさか城野がなぁー。」
カーテン越しに差し込む夕日が教室を橙色に染める。
シンと静まり返った教室に、ぐちゅりと聞き覚えの無い水音が響く。
「ふじ、お……っ」
「ん?何。」
「も、ゆるして………お、俺…なんでもするから…」
「じゃあそのまま続けてよ。」
そう言い放った時の城野の顔ったらマジ最高だった。
この世の終わりみたいに青筋浮かべて、超ビビってやんの。
「はーやーく。」
俺の言葉を聞いた城野は震えながらも、黙って行為を続けた。
またぐちゅ、と鳴る水音。
制服のシャツ着たまま下半身丸出しの城野は、勃起したチンポを俺の机に一生懸命擦りつけていた。
まだオナニーのオの字も知らなさそうなあどけない顔した奴がいやらしい顔して励んでんの見るのは、思ったよりも刺激的だった。
ギンギンに固くなったチンポの先からは、嫌だとか言いながらもちゃっかり先走りが垂れている。
息を荒げて、顔真っ赤にして。
何だよコイツ、気持ち良くなってんじゃん。面白くねぇ。
「っひ、ぅ…藤尾、ふじおぉ…!」
カクカクと揺れる腰の速度が段々と速くなる。
顔なんかもうトマトみたいになって、耳まで爆発しそうな程赤い。
そのままイかせんのもなんだかつまらなかったから、ちょっと悪戯をする事にした。
城野の公開オナニーを目の前で鑑賞していた俺はゆっくりと腰を上げて、城野に近づく。
城野はあんまり一生懸命腰を振ってるもんだから、俺が動いた事に気付いていないようだ。
薄い桜色した乳首を、ぎゅっと抓る。
「うぁ!あっ…」
「男でも乳首って気持ちイイもんか?なぁ、どーよ城野。」
城野はさっきまであんなに激しく動かしていた腰を止めて、俺の指先の動き1つ1つに体を震わせていた。
もう涙ボッロボロで、目尻が赤くはれている。男のくせになっさけねぇな。
「ふじっ、ふじお、やだ、それやだぁ…っ」
「やだじゃねーよ。手伝ってやるから早くイけよ。」
もっかい乳首つねったら「んぅっ」なんて、男のくせに色っぽい声出すもんだからちょっとテンション上がっちゃって、俺は城野の乳首を散々弄り倒した。
そのうち城野の腰もまたゆらゆらと揺れ始めて、気持ち良さそーに喘いでる。
余裕ない顔で俺の名前を呼ぶ城野の顔は、その、なんだ、妙にエロいってか、うん。
とりあえず俺も段々余裕がなくなってきた気がする。
「は、ぁ…っ、ふじ、ぉ、んっ…」
駄目だ。これ以上名前呼ばれたら俺のが先にぶっ飛びそう。
俺は乳首を弄っている手と反対の手で、城野のチンポをするりと撫でた。
「……ッ!」
そのままゆっくり扱いてやると、城野は気持ち良さそうな溜息を漏らして、俺の肩に顔をうずめてきた。
耳のすぐ近くで、城野の声が聞こえる。息遣いが、聞こえる。
そんだけなのに何故かどうしようもなくドキドキして、やばい。
「っひ、い、…ぅ」
「ん?」
「いぅ、いく…っ、イっちゃ、う…っ」
ぎゅっと俺の肩を掴む手に力が籠る。
城野の髪の毛からはふわりと石鹸の香りがして、もう、なんか、たまらなかった。
「あっ、あぁ、いく、ぅ……んっ…っ!」
手の中に広がる熱い感触。
城野はビクッと2、3度体を震わせて、俺の手の中でイッた。
「っは、っはぁ、はぁ…」
ぐったりと俺に全身を預ける城野。
最初のいやいやはどこ行ったんだよ。
「城野。」
名前を呼ぶと、城野の肩が跳ねて、それから急いで俺から離れた。
「ごっ、ごめんなさい…ごめんなさいっ…」
机の上で小さくなる城野。
その姿が無性に愛らしくて、俺は思わず城野の額に口付けた。
***
「しろ、の…?何やってんだお前…。」
ほんの30分前の事だった。
学校が終わってさっさと家に帰ったんだけど、友達から借りた漫画を教室の机の中に忘れた事に気がついた俺は、面倒くせぇと自分を罵りながらも学校へ向かった。
校庭にはまだ部活で残ってる奴らが沢山居たけど、校舎の中はがらんとしている。
見慣れない風景を珍しく思いながらも、特に長居する意味も無いので教室へ向かった。
「っは、ぁ…うっ、ぅ…」
教室に入ろうとしたその時、扉の向こうで何か声が聞こえた。
まさか誰か残っているなんて夢にも思っていなかった俺は少しビビったけど、冷静になって声を聞いてみるとなんだか様子がおかしい。
なんていうか、喘ぎ声…?
ドアを少しだけ、中に居る奴にばれないように開いて様子を窺う。
そこで目にしたのが、城野のあられもない姿だった。
城野はガキだ。
ちっさくて、声もキーキー高くて、無駄にテンション高くて、うざい。
たまに向こうから絡んでくる事はあったけど、面倒であんまりちゃんと返事を返した事も無い。
教室ではしゃぐ城野は本当にガキっぽくて、友達と遊ぶのだけが楽しいって感じで、「そういう事」に興味があるとは、ましてや知識があるなんて思いもしなかった。
そんな城野が、へーえ…。
やっぱ人間誰でも裏の一面ってのはあるもんだよな、うん。
城野はズボンを脱ぎ捨てて、勃起させたチンポを机に擦りつけていた。
うっわ、変態じゃん城野。すーげぇ。
で、一体どの女子をオカズにしてんのかなー、っと。
隙間が小さいせいで見え辛かったけど、なんとか机の主を特定する。
結果、
「え、俺?」
何かの間違いだと思った。
俺の周りは確か皆女子だったから、きっと勘違いしてんだろ。
あぁ、ってかちくしょ、俺の机ヤラれ損じゃねぇか。
終わったら責任とって拭いてもらうからな。
なんて呑気な事を考えていたら、俺の推測をぶち壊す声が聞こえた。
「藤尾、ふじおっ…!」
おーれかーいっ
流石に今の言葉は頂けない。
っていうか最初から全部頂けないけども。今のは駄目だ。
スパーンと良い音を鳴らして思い切りドアを開けた俺は、呆気にとられた城野の前に仁王立つ。
「てんめぇ……」
「っひ、うわぁっ!」
これが、事の発端だ。
***
「藤尾、ごめん。その…ほんとに…」
「だぁー、うっせぇよ。もう気にしてないっつってんだろ。」
あの後、律義に俺の手までティッシュで丁寧に拭いた城野は、それからずっと正座して俺に謝り続けてる。
なんだかんだで一緒に楽しんじゃってた俺は一方的に攻める事も出来ずに(てかもうそんな気無くなった)とりあえず城野の正座を崩そうと必死だった。
「……てか、なんであんな事してたんだよ。」
「………。」
「まぁ、答えられねぇなら、いいけど。」
特に深く聞こうとも思わなかった。
聞かなくても大体の所は予想できるんだけど。それが当たってちゃ困るんだ。
世間体的にも勿論困るけど、なんだ、その。
今俺が頭の中で期待してる事を言われたら、多分きっと断れない。
それが一番駄目なんだ。
「お、俺…さ、」
沈黙を切る城野の声。
大いに期待してゴクリと唾を飲み込んでしまった俺は、きっと阿呆だ。
「ふっ、藤尾の事、…好き……なんだ…。」
「ま、マジか。」
「ごめん、引くよな。男に好きとか言われて…しかもあんな……ほんとにごめ「よろしくお願いします!」えっ?」
俺の言葉を聞いて一瞬キョトンとした城野の顔が、みるみる赤くなっていく。
「えっ?えっ?」
テンパったようにキョロキョロし始める城野。
前まで、っていうか30分前位まではこれがうざくてしょうがなかったのに、今じゃめちゃくちゃ可愛く見える。
重症だ。
さっきの思案なんてあっちゅー間に頭の外へ飛んでった。
困る訳ないだろ。寧ろ来い。
「俺城野の事誤解してた。ずっとガキっぽくてうるさくてうざい奴だと思ってたんだけど」
「えっ、ひどい」
「だけど本当はめっちゃエロくて変態だったんだな!」
「ちっ、ちがっ…………わない、です…。」
最初はめいいっぱい否定しようとしたけど、自分のした事を思い出したのか段々声量がフェードアウトしていった。
ああもうなに。なんなのこいつ。可愛すぎでしょ。
「仲良くなれたお祝いに、これから本番しよっか?」
耳元でぼそっとつぶやくと、城野は耳まで真っ赤にして固まってしまった。
…あれ、冗談のつもりだったんだけど、まんざらでもない感じ?
据え膳食わぬは男の恥。
「すっごくやる気みたいだからやっちゃおっか。」
「そ、そんな事言ってな…」
「まぁまぁ。」
「うひゃっ、ちょ、まって藤尾、こっ、ここでやんのっ!?」
「うんうん。」
「う、うわあぁぁあ…………っ」
俺達の色々な"初"は、全部学校で済ませちゃいました。
「城野っ、今度は公園でしよう!」
「死ねっ!」
-END-
カップル揃って変態とか。自分的には大いにありだと思うんだ。
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