エイプリルフールネタ
甘々
「シズちゃん…嫌い!」
「…あ?」
「エイプリルフールだよシズちゃん!シズちゃんなんて嫌い嫌い嫌いー!」
いつもは恥ずかしくて好き、なんて言えないけど今日はエイプリルフール。
それを利用するなんて俺もまだまだ小心者だな…なんて思いながらシズちゃんの顔は見ないままで嫌いを連呼する。
「臨也」
「ん?なに?」
突然シズちゃんに手首を掴まれ、顔を上げた。
「手前可愛いな…」
「なっ……!?」
するとそこには顔を真っ赤にしたシズちゃんがいたわけで…
「え?どうしたのシズちゃん!?いきなりか、可愛い…とか……っ」
「手前が悪い!いつもは恥ずかしがって好きって言わねぇじゃねぇか!なのに今日は……くそっ!」
シズちゃん分かってたんだ、俺が恥ずかしくて好きって言えなかった事…
最後に直接好きって言ったのはいつだっただろうか。
言いたくても恥ずかしくて言えなくて……シズちゃんが寝てしまったのを確認してから好きだよって言う事はあっても直接言う事はほとんど無かった。
「いいぜ、のってやる。今から言ってる事全部嘘な!」
「シズちゃん…!」
フッっと微笑むシズちゃんが凄くかっこよくて、ついつい俺はシズちゃんに抱き付いてしまった。
「いざっ…!あぁもうなんで手前はいつもいつも…っ!!」
一瞬驚いた表情を見せたシズちゃんだったが、次の瞬間俺をギュッと抱き締めてきた。
「シズちゃん、冷たい…」
「あぁ、俺も冷たい」
そういってお互いに顔を近付けていくと、コツンとおでこ同士がぶつかり合い、俺とシズちゃんは同時に微笑み合った。
「シズちゃん、腕、離して?」
「っ、もちろんだ」
こんなに幸せでいいのかな?
そう思っていると、くっついたおでこを離してシズちゃんが真面目な顔をして俺を見てきた。
「なぁ臨也…離婚しようぜ」
「ふはっ、なにそれ!」
シズちゃんの予想外な言葉に俺は吹き出してしまった。
笑ってはいるが、正直な所凄く混乱している。だって離婚しようって事はつまり…結婚しよう、って言ってるって事でしょ…?
「なんで笑わねぇんだよっ!俺は不真面目に言ってないんだぞ!」
「くっ、シズちゃ…分かっ…分かってないよ……っ」
落ち着いてみたら、今俺たちがやってる事が馬鹿らしく思えてきた。
「よし…1抜けた!」
「は?」
思ってる事と反対の事を言うなんて…笑えて仕方がない。
こんなことなら初めからエイプリルフールを利用しないで、ちゃんと好きって言えば良かった。
「シズちゃん、大好き!」
「それは嘘か…?」
シズちゃんは少し不安そうな顔をしている。
嘘なわけないじゃんね、こんなにもシズちゃんの事好きなのに。
「そんなわけないじゃん!俺はシズちゃんが好きなの!結婚だってもちろんしたいよ!!嘘ばっかじゃ本気か分からないでしょ?」
恥ずかしくて素直に好きっていえない自分も馬鹿らしく思えてきた。
だからこれからは思ってることは恥ずかしくても素直に言おうって思う。
「臨也…前より素直になったんじゃねぇか?」
「!!そ、それは…まぁ…その………察して…」
シズちゃんの事好きなんだから仕方ないじゃん?
甘い嘘
後半エイプリルフールを全く活かせなかった/(^O^)\
前からエイプリルフール何かしようって思ってたのに、今日がエイプリルフールってのにさっき気が付いたんです、実は…←