<日々也>
 折原王国の王子
<デリック>
 折原王国の町民
 音楽家(バイオリン)

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昨日の選考会の後から私はずっとそわそわしていた。早くデリックに会いたくて、話したくて…

いつからこうしていたんだろうか、気が付くと時計の針が約束の2時を指そうとしていた。


「失礼します日々也様、デリック様がお着きになられましたのでご案内いたしました」

「失礼…します」


不意にドアが開かれ、デリックは部屋の中に入ってきた。緊張しているのか声が少し震えているようだった。


「あれ?日々也様、執事の方などはいらっしゃらないのですか…?」

「私がいらないと言った」

「いいんですか?俺なんかと2人っきりでいても…」


私がそう答えるとデリックは不思議そうに首を傾げた。

デリックの自然な動きに、いつも張り詰めていた神経が少し緩んだような気がした。なぜかは分からないが、デリックの傍は凄く心地が良く安心できるようだった。


「デリック、君は信頼しても良いい人物だと見受けられたからな。…あぁそうだ、私と2人っきりの時は敬語など使わなくてよいぞ。あと、私の事は日々也でいい」

「え、でも…」

「私がいいと言っているんだ」

「…あぁ、わかったよ…日々也」


戸惑いながらもそう言って笑ったデリックに胸が苦しくなった。

こんな事今までなかったというのに…コレが恋、というやつなのだろうか。


「よ、よし、では何か弾いてはくれないだろうか?」



***



「さすがだな…デリック、君には音楽の才能があるらしいな…」

「お、おお…ありがとな。そういう事言われるの慣れてねーからよ、照れるな…」

「…昨日も思ったがデリック、君はかっこいいな」

「!?」


かっこいい、そう言った瞬間デリックは飲みかけの紅茶を吹き出しそうにし、激しく動揺している素振りを見せた。


「え、なっ…?」

「だ、大丈夫かデリック!?私今何かまずい事でも言ったか!?」


なぜこんなにもむせているのか分からないので、混乱しながらデリックの背中をさすった。


「いや…あのよ日々也、お前もしかして俺の事好きか?」

「へ…?」

「だってよ、顔赤くしながらかっこいいとか言うなんて…告白だとしか思えねぇんだけど?」


落ち着いてくるとデリックはいきなり真剣な顔になり、好きなのかと問いただしてきた。どうしてばれたのかと思った矢先顔が赤いと言われ、さらに顔に熱が集まるのが分かった。


「っ…もし…もし本当に好きだったらどうするのだ?気持ち悪いと言って突き放すのか?」

「いや、嬉しい…かな。俺日々也の事好き、だしよ」

「デリック…?」


予想外のデリックの返答に私は戸惑ってしまった。

男が男を好きなのだ、明らかに普通ではない。それでも嬉しいと言ってくれた、好きだと言ってくれた。


「町中で日々也、お前を偶然見かけた時に一目惚れしたんだ。町の子供や老人に優しくしたり町民と一緒になって花に水やりをするような、そんな優しいやつを守ってやりたい…って思ったんだ」

「デリック…私の事そんな風に見ていてくれたんだな」


そんな風に見てくれてる人がいるなんて気が付かなかった。ましてや自分の好きになった相手が自分の事を前から好きでいてくれた、そんな事実が嬉しくて嬉しくて…自然と涙が出てきた。


「あぁ。こんな会ったばかりのやつに言われて信じられねぇかもしれないけど、俺は日々也を守りたいんだ。嘘や冗談なんかじゃねぇ。本気でお前の事幸せにさせてやりたいって思ってる。好きだ日々也、好きなんだよお前のことが……」


どこか淋しそうにするデリック、私は泣きながらデリックに抱きついた。


「私も…私もデリックが好きだ!昨日デリックを見て一目惚れ…してしまったようだ」

「好きだよ、優しくて可愛いお前が…俺の大事なお姫様、絶対に離れないから…」


フッと優しく笑い、私の手にキスをしたデリックがさらにかっこ良く見えたというのは秘密にしておこう────。









日々也のキャラが掴めない!服もわからなければキャラもわからない!!これはデリ日々ですか



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