R18
静→(←)臨
静雄と臨也は従兄弟
臨也から家に泊まりに来て欲しいという電話がかかってきたのは今日の昼頃だった。
なんでも、臨也の両親が数日前から旅行に行っていて暇だから相手をしにこいとのことだった。
俺は臨也が夕飯を作る間に風呂にはいっていた。
「臨也の両親いねぇんだよな…ってことはこの家には俺と臨也の2人しかいねぇんだよな。…2人…俺と、臨也……俺と臨也の2人っきり!?」
湯船に浸かりながら冷静に考え直してみると、臨也と2人っきりという事を再認識し顔が赤くなった。
今までにも何度か臨也の家に来た事はあるがその時は臨也の両親もいた。だが今は状況が違う。
「耐えられるのか?俺…」
なるべく平生の自分でいられるように努力しなくてはいけないな、といろんな事を考えながら風呂場を後にした。
「あがったぞ」
「あ、ナイスタイミング!丁度夕飯の準備終わったよ」
「お?すげぇじゃん。臨也料理できたんだな…」
普段臨也が料理をしないのを知っていたため、それなりに豪華な食事が並べられていた事に驚いた。
「なっ…それ失礼じゃない?俺だって料理の一つや二つ楽勝なんだからね!?それよりほらっ、食べてみてよ」
いくら楽勝と言っても、指に貼られている絆創膏を見ると自分のために頑張って料理してくれたんだということが分かった。
「…どう?」
不安げな表情で俺の感想を聞く臨也を見て素直にかわいいと思った。胸が締め付けられるような気がした。
「…うまい…」
「ほんと?良かった」
嬉しそうに微笑む臨也を見て、また胸が苦しくなった。
そんな自分の気持ちを誤魔化すように料理を次々と食べていった。
「うまかったぜ、さんきゅーな」
「うん。シズちゃんこそ片付け手伝ってくれてありがとう!片付けも終わったし俺お風呂に入ってくるね」
料理を食べ終え、片付けも終わると臨也はすぐにお風呂に入りに行った。
***
「シーズちゃん!」
「う、わっ!」
部屋でのんびり臨也が戻って来るのを待っているといきなり後から臨也が抱き付いて来た。
「へへー、びっくりした?」
「当たりま…ッ…!」
「…ん?どうしたの?」
文句を言おうと振り向くとそこにはサイズからしておそらく自分のであろうシャツを着た臨也が立っていた。
「いや…なんでも、ない…」
「変なのー」
直視できずに目線を逸らしながらどうしてそのような格好をしているのか問い掛けてみた。
「変で悪かったな…それよりなんだ?その格好…」
「あ、これ?シズちゃんの服置いてあったから着てみたら結構着心地よくてね」
ここまで聞いた所まではまだなんとか理解することができる、が……
「で?なんで下はいてないんだよ」
「だって明らかにサイズ大きいからシャツだけでも十分長さあるし風呂上がりで暑いからいいかなー…なんて…嫌だった?」
「いや、別に嫌ではない…けど…」
この時の俺には上目遣いや、小首を傾げるなどの臨也のちょっとした仕草が自分を誘っているようにしか見えなくなっていた。
「けど?」
「我慢できなくなる」
「…え?ちょ、シズちゃん?」
もう、我慢の限界だった。
臨也の肩を掴み、ゆっくりとベットに押し倒していった。
「わりぃ、止まんねぇ…」
「んんっ、シズ…ちゃ!?」
「ごめん、好きなんだ…」
静雄は切ない表情をしながらは臨也にキスをした。
「っ…シズ…」
「いい、なにも言うな。分ってるから…」
」
臨也が何を言いたいかなんて聞かなくても想像がつく。
だからこそ直接臨也の口から言われるのが嫌だった。
「ふ、ぁっ!…んんっ…シズっ、ちゃ……あ、ぁぁっ…んぅ!」
「従兄弟なんかに触られても感じるんだな」
片手で臨也の頭の上で臨也の両手を固定し、ズボンのファスナーをおろして臨也自身を強弱をつけながら擦った。
「や、ちがっ…んあぁっ!」
「どこが違うって?男に触られて勃起してるじゃねぇか」
俺なんかに…男である俺なんかに触られても感じてくれているようで、ちょっと嬉しかった。表情には出さなかったが。
「ふ、あ…そ、れは…ん、ぁぁっ…シ…ちゃ…からぁ…っ」
「あ?聞こえねぇよ」
「シズ…ぁ…んぁっ…だからぁぁっ!」
臨也がいくら叫んでも何を言っているのか分からなかった。いや、もとより俺は臨也の言葉を聞くつもりがなかったのかもしれない。
「わかんねぇよ。でもどうせ生理現象だとでも言いてぇんだろ?男に触られるなんて気持ちわりぃもんな」
「ちがっ…」
同性に自分の性器を触られるなんて気持ち悪い以外何を感じる?
今まではただ単に従兄弟という関係だけの男に触られているのだ。違うなんて言葉は意味を持っていなかった。
「もういい。後は俺の好きなようにする」
「シズ、ちゃ…」
この時臨也の瞳が一瞬輝いて見えたのはきっと気のせいだろう。
***
今まで一度も他人のモノを受け入れた事がなかった臨也も、何度も静雄に慣らされた事により今では痛みよりも快楽を拾う事の方が勝っていた。
「やっ!も、だめっ…あぁっ、ふ、ぁっ…イっちゃ、イっちゃう…ッ!」
「あぁ、イけよ…っ」
頬を染め、涙を流しながら限界を訴える臨也は男とは思えぬ色気を漂わせていた。
「ふあぁっ…しうちゃ…っ…や、あぁぁぁっ!」
「っ……」
臨也は静雄の名前を呼び、静雄はやはりどこか寂しそうな表情をしながら互いに強く抱き締め合いながら同時に達した。
「ぁ…臨也…わりぃ…」
達した後の余韻に浸りながら自分の誤りに気付いた。
「ん……シ…ズちゃ……」
臨也は微笑みながら俺の名前を呼んで意識を手放した。俺にはその笑顔の意味が分からなかった。
どうして俺と臨也は従兄弟なんだろうか……今まで何度も何度も思った。血縁関係でなければ俺はこんなに悲しい思いをしなくてすんだのだろうか?
臨也の事を幸せにしてあげたい。そう思っても叶う事はない。
そして俺は意識を手放した臨也の頬にそっと手を置き呟いた。
「ごめん、ありがとう…」
君への哀情
本当は臨也もシズちゃんが好きだけど、どうしても素直になれなくて自分から思いを伝える事はないんです。何度も好きだと言おうと思ってもその度に余計な事を考えてしまって結局言い出せない臨也。だからシズちゃんが臨也の本当の気持ちを知る事はないんです。
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