エロはカット






暑い、暑すぎる。
何なんだよこの暑さ…。

事の始まりは数時間前。

久しぶりにシズちゃんが俺の部屋にくるので、シズちゃんが家に来る前に部屋を涼しくしておこうとエアコンの設定温度を下げて行くと、突然エアコンが止まってしまったのだ。

こんな暑い部屋にシズちゃんを呼ぶのもどうかと思い、今日は俺が行こうかと電話をすると、アイスを買って行くからいいとの事だった。


「早くシズちゃんこないかなー」


そう呟いた時、玄関のチャイムがなった。

慌てて玄関に駆けて行き、ドアを開けるとそこには愛しのシズちゃんが…!


「よぉ臨也。アイスたくさん買ってきたぞ、ほら」


そう言って買ってきたアイスを得意気に見せてきたシズちゃんに自然と笑みが零れる。


「わあ!ありがとう!……あれ?バニラばっかり?」

「あぁ、手前バニラアイス好きだったろ?」

「え!?覚えててくれたの?」


部屋に入り静雄の持って来た袋を覗いて見ると、カップのアイスや棒付きアイスなどいろんな種類のアイスが入っていた。しかしよく見てみるとなぜか全てバニラ味だった。

理由を尋ねると、前に俺が小声でバニラ味が好きだと呟いたのを覚えていたというのだ。


「あ、早く食べなきゃ溶けちゃう…ってゆうかもう溶けてたり?」

「あー…多分それは大丈夫だ。アイス買ってからここまで全力で走って来たからなっ!」


改めてシズちゃんを見てみると、額にうっすらと汗が滲んでいるのがわかった。そんなシズちゃんを見て、かっこいいかも、なんて思ってしまった。

アイスが溶けてしまわないように走って来るなんて…シズちゃんのそういうちょっとした気遣いとか…俺、結構好きだよ。なーんて、本人には絶対言えないんだけど。


「ほらよ、取りあえずカップのでも食べとけ。他のは冷凍庫に入れとくからよ」

「ありがとう」


差し出されたアイスを受け取り、早速一口食べてみた。


「ん…おいし」

「…溶けてねぇか?」

「大丈夫だよー。丁度いい感じ」


シズちゃんが棒付きアイスを食べながら台所から戻ってきた。

俺は返事もそこそこに、アイスを食べるのに夢中になった。


「あれ?シズちゃんもう食べちゃったの?」

「ん?あぁ、暑かったからな」


シズちゃんはアイスを食べ終えると、俺の方を向きながらニコニコとしている。いや?ニヤニヤ…してる?…気のせいだよね、多分。


「う、わっ!溶けてきちゃった!あーあ…手、ベトベトだよ…」

「ッ…!」


溶けてしまったアイスは俺の手にたれてきて、気持ち悪い。ベトベトする…


「うーん…舐めてもいっかなー」

「い…ざや…」


指に付いたアイスを舐めていると、だんだんシズちゃんの顔が赤くなってきていた。

…どうしたんだろう?
俺変な事した?


「ん?ちょっと待って…これ飲んだ方が早そうだから飲んじゃう………ん、で、何?」

「あのよ…こんな暑いとこ悪ぃけど…シようか」

「……はい?」


溶けたアイスを飲み干し何を言おうとしたか問い掛けてみると…真っ昼間から何を言っているのだこの万年発情期男は!!



***



「全く…なに昼間っから盛ってるんだか…」

「だってよ…」


事情が終わり俺が呆れていると、シズちゃんはしゅんとしてなんだか犬みたいだった。


「なにさ、言い訳するの?」

「手前がエロいのが悪ぃんだ」

「は?俺なにもしてないんですけど」


開き直ったシズちゃんは襲った理由が俺にあると言ってきた。

俺がエロいのが悪い?
アイスを食べていたという事以外特になにもしていなかったので、何も思い当たる事がなかった。


「ほら、手前アイス手に零しただろ?」

「あぁ、確かに零したけど…それが?」

「いや、あの…バニラアイスだっただろ?で、その白いのが…あの…」


アイスを零したのとアイスが白いのと俺がエロいのとどう関係しているというのだ?


「そこまで言ったんなら最後まで言ってよ!」

「その…白いのが…せ、精液に見えちまってよ…っ」

「は?なにそれ、そんな事で興奮してたの?…子供だねぇ…」


予想外の理由に俺は拍子抜けしてしまった。


「ガキで悪かったな!好きなんだから仕方ねぇだろ!?んな事ばっか言ってっともっかい犯すぞ?」

「え、あ…ごめん…」


雄らしい笑みを浮かべ犯すと言うシズちゃんだが、この暑さだ…さすがにもう一回は体力がもたないよ…!!



バニラアイス





季節的にはもっと早くかいておけば良かったと思う(・ω・)



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