シリアス系
2人は仲がいい
今日はいつもよりも数時間早く帰ることができた。
「ただいま」
自分よりも早く帰って来ているはずの臨也に直接ただいまを言おうと、部屋の中を捜してみるが臨也の姿はなかった。
「臨也?いねぇのか?おかしいな…靴あったのに」
その時、臨也の部屋から何かが聞こえる事に気がついた。
「……っ……ちゃ…」
「あ?なんだ?」
そっと声のする方に行ってみると、どうやら臨也が泣いているようだった。
「なっ…!?なんで泣いてんだ!?」
普段は誰にも涙をみせない臨也が泣いているだけに驚き、心配しつつもこっそりと様子を伺うことにした。
「シ、ズちゃっ…ごめ、ごめんね…ッ」
(こいつ…なんで俺に謝ってんだ?)
「シズちゃんは…男なんかより女の方が好き、だよね…ッ」
(…は?どういう事だ?全く状況がつめねぇ…)
臨也が何を言いたいのかがわからない。ドアの向こう側で困惑していると、次に臨也の口からでてきた言葉に固まってしまった。
「シズちゃ…好き…好きだよぉ…ッ…シズちゃんに愛してもらいたいっ!…けど、けど…ッ……ごめん、ねっ…好きになっちゃって…俺なんか、好きじゃな、いよねっ…男が男の事好きって…気持ち悪い、よ、ねっ…」
(今…好きって…?)
「ふっ…く…シズ…ちゃん…ごめん…ごめ、ん…っ」
泣きながら自分の事を好きだと言っている臨也が堪らなく愛しく思った。
もとより静雄は臨也の事が好きだった。だからこそ臨也が愛しく思えたのだ。静雄はまだ泣きやまない臨也にそっと近づいて後ろから抱き締めた。
「っ!シズ、ちゃ……ごめん、忘れて」
「臨也手前いつもこうやって泣いてたのか?」
「…放して…」
抱き締めながら優しく俺は臨也に聞いた。しかし臨也は俺の質問に答える気はないようだ。
「嫌だ」
「放してよっ!」
「黙れ」
いつもは冷静な臨也が大きな声を出して俺の腕から逃れようとしている。
こんな臨也見た事がなかった。
「放してってば!男が男の事好きって言ってるんだよ!?気持ち悪いよ!シズちゃんだってそう思っ「黙れっつってんだよ!」
「っ…」
「いいから黙って俺の話を聞け」
「…」
臨也には悪いと思いながらも怒鳴りつけ、ようやくおとなしくなった臨也を自分と向き合うように座らせ俺はゆっくりと語り始めた。
「初めに言っておくが…俺は男が男の事好きだと言ったからといってそいつの事気持ち悪ぃなんて事全く思わねぇ。もちろん手前も例外じゃねぇ…」
「…?」
言葉の意味を理解できていないのか、ポカンとした顔で俺の顔を見つめてきた。
「まぁ…なんだ、その…俺も臨也の事…好き…だしよ」
「…え?」
臨也は突然の俺の告白に目をまるくにした。
「っ…だからっ、俺は手前が好きなんだよ!」
「嘘だ。俺が泣いてたから慰めるために言ってるんでしょ?そんなの俺が辛いだけだよ!そんな優しさいらない!」
「違ぇよ。俺は本気だ」
臨也の心がこんなに不安定になっているとは思わなかった。今まで一緒の部屋で過ごしてきたというのに全く気付いてやることが出来なかった自分に腹が立った。
「証拠は?」
「証拠、か…じゃあこんなのはどうだ?」
「んんっ!?ちょ、シズ…ちゃん!?」
なかなか俺の言葉を信用しなかったので、グイッと臨也の腕をひき唇を合わせた。
「これでわかったか?本当に好きじゃなきゃ男同士でキスなんて出来ねぇよな?」
「それ、は…っ」
これでもまだ信じきれていないようだった。
「な?俺を信じろよ。俺はずっと前から臨也の事が好きだったんだ。臨也の事ばっか考えてたんだよ!むしろ俺のが気持ち悪ぃ!」
「ほんと…に?」
俺が今まで伝えたくても伝える事が出来なかった本音を次々と言っていく。
「あぁ」
「…シズ、ちゃ…ッ」
「俺と付き合ってくれ、臨也…」
「――っ…うん!」
最後の言葉でやっと俺の事を信用したようだ。
「これからは悲しい涙じゃなくて嬉しい涙を流せ。俺が傍にいるから…」
臨也に悲しい涙は似合わねぇ。
「うん。ありがと…シズちゃん…」
ほら、やっぱり嬉しい時に泣く臨也の顔の方が何倍もかわいいじゃねぇか――――。
ごまかしきれない感情
あの…これはシリアスでしょうか?
同じ部屋に住んでいるのは追及しないでもらいたいwww
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