生物学上無理な事が起きます







「ねぇシズちゃん、俺最近調子が優れないってゆうかなんか変ってゆうか…どうしよ?」

「…病院行けばいんじゃね?」


細いくせに無駄に丈夫な体の持ち主の臨也が困ったような顔をして聞いてきた。


「シズちゃんは他の人に俺の体見られたり触られたりしてもいいんだ?」

「あー…それは、ちょっとな」

「でしょ?だからどうしようかなーって…」


風邪か?珍しい事もあるもんだなと軽く考えて病院に行けばいいのではと返すと臨也は少しムッとしながらかわいい事を言った。


「あ、じゃあ新羅のとこはどうだ?」

「新羅?」

「あぁ、腕は確かだろうからな。それにあいつはセルティ以外全くと言って良いほど興味ねぇしな。どこの誰とも分からねぇ奴に触られたりするよりはよっぽどいいし安心できる」


そうまで言われて病院をすすめる事もできなく、昔からの友人である新羅の名前をだした。俺の話を聞き臨也はなるほど…と納得した。


「それに医者に診せなくて悪化してもらっても俺が困るしな」

「わかった、じゃあ今から行こうか?」

「おぅ」


早く診せるにこした事はないと早速新羅のマンションを訪ねることにした。



***



数日前に幾つかの検査をした後新羅は考えこんでちょっと時間をくれないかと言ってきて今にいたる。


「あれから2日経ったけど何の連絡もないね…」

「あぁ」


なにか悪い病気だったのではと心配で夜もろくに眠れなかった。

それは臨也も同じようで、目の下にうっすらとクマをつくっていた。


♪〜♪〜♪〜♪〜♪


「もしもし!?」

「あ、静雄かい?」

「どうなんだよ!?」


2人して黙りこくっていた時、静雄の携帯が鳴った。

俺は着信相手が新羅であると確認する前に慌てて電話にでた。


「取りあえず落ち着きなよ。そうだね…電話で話すのもなんだから僕の部屋においでよ」


興奮気味の自分とは反対に落ち着いた口調で話す新羅に不安がさらに大きくなった。



***



「おい新羅、一体なにがあったんだよ!?」


新羅が玄関にがでてくると静雄は噛み付くような勢いで検査の結果を聞いた。


「…臨也、静雄…おめでとう!」

「「…は?」」


いきなり笑顔でおめでとうと言われ、悪い考えが外れホッとすると同時に何の事かと2人してポカンとした。


「普通に考えるとありえない事なんだけどね、臨也…妊娠してるよ!」

「は?俺が…妊娠!?」


笑顔のまま新羅は話を続けた。


「…俺男だけど?」

「もちろん知ってるさ、だからありえないって言ってるんだよ」


ありえないという言葉だけでは説明できない事が現実に起きているため、頭が混乱している。

だか妊娠したと言われた臨也本人はあまり驚かず、むしろ冷静だった。不思議に思い臨也の表情を見てみると、冷静なのではなくなにかに恐れているような表情をしていた。


「シズ…ちゃん…」

「ん?」

「俺の事嫌いになった?」


ゆっくりと俺の方を振り向き、少し気まずそうにしながら嫌いになったかと尋ねてきた。


「は?なんでだよ?」


意味が分からず俺は固まってしまった。


「だって…俺男なのに妊娠するとか…気持ち悪いでしょ?…まぁ…俺は嬉しいけど、さ…」

「何言ってんだよ!臨也が妊娠したから気持ち悪い?んなわけねぇだろ!それに俺だって嬉しいんだよ!」

「っ…」


臨也はこの短時間でいろんな事を考えていたようだ。

俺だって臨也との子供ができたらいいなと何度も心の中で願っていた。無理だとわかっていてもどこか諦めきれなかった。そんな時ありえないことに臨也が妊娠したのだ。嫌いになるはずがない。


「大丈夫だ、手前はなにも心配すんな。俺が支えてやるからよ」

「シズちゃん…!」


臨也にばかり負担はかけたくない。

臨也ばかり不安になってほしくない。

いつでも、俺を頼ってほしい。

そんな願いを込めて言った。





「俺の嫁になれ、臨也」




***



新羅のマンションをでて、静雄のマンションに帰ろうと池袋の道を2人寄り添いながら歩いた。


「まさか妊娠してたなんてな…っ…やべぇ、嬉し過ぎて顔がニヤけちまう」

「ちょっとシズちゃん、変な目で見られるからやめてよ…」

「そんな事言ってる手前だってニヤけてんじゃねぇか」

「それは…っ、ごめん」


周りから見るといい歳の男2人が寄り添い、ニヤけながら歩いているのは異様な光景だった。

しかし今の自分達にはそんな事などどうでも良かった。


「そんな臨也も好きだぜ?」

「っっ―!…男と女どっちかな?」


好きだとを恥ずかしげもなく無駄にかっこよく言う静雄に臨也は顔を真っ赤にした。

それを誤魔化すように子供は男か女かどっちかと聞いてきた。


「スルーかよっ!まぁいいけどな。俺は臨也との子供だったらどっちでもいいけどよ、できれば男がいいかもな…」


臨也が顔を赤くした事だけで満足だったので、クツクツと笑いながらも質問に答えてやった。


「どうして?」

「だってよ、女だったら臨也と結婚するーっとか言い兼ねないだろ?」

「ふふっ…大丈夫だよ、心配しなくても!俺は今までもこれからもずっとシズちゃんだけのものなんだからっ!だからシズちゃん、俺を手放したりしないでね?」


当たり前だ。

俺は臨也を手放したりはしねぇ。


絶対に、


絶対に手放したくねぇ存在だから――――。



何度も願った





素敵企画様に提出させて頂きました!


臨也君が男なのに妊娠しちゃうとか考えただけでニヤニヤちゃいますよね!←

そして無駄にイケメンなシズちゃんもおいしいです!




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