死ネタです
君に会いたい。
何度思った事だろう…
***
「いーざーやーー!手前っ、池袋には2度とくんなっつっただろーがぁ!」
「参ったなぁ、もう見つかった…」
俺とシズちゃんが昔っからの犬猿の仲…って言うのは嘘で、実は恋人同士なんだよね。まぁ皆に言ったところで理解なんてされないだろうから、仲が悪いって事で通してるけど…
「ははっ…シズちゃんどうしたらそんなに早く俺の事見つけれるのさ…」
「んなことどうでもいいだろっ!」
そう言ってシズちゃんは標識を引っこ抜き、俺に向かって投げてきた。
自分で言うのもなんだが、シズちゃんは俺の事を愛している…だからギリギリ標識が俺に当てないように投げている。
当たらないからよけなくてもいいのだが…周りのやつらが見ているからよける振りをしなければいけない。よける振りって結構難しいんだよね…
「ちょっとシズちゃん…いきなり標識投げて来るなんて、反則じゃない?」
「っせーな!手前に反則だなんて言われたくねぇ!」
「はいはい…じゃあねっ!」
そう言って俺はくるりと向きを変えて走り出した。
シズちゃんが追いかけて来るのがわかる。
「臨也ぁぁ!」
気がつくとすぐ後ろまで近付いて来ていた。
「うわ、はやっ…どんな脚してるんだよ…」
振りとはいえ、つかまれば投げ飛ばされる。それはごめんだ…
取りあえず…道を渡ればすぐには来れないだろう、そう思って車道に飛び出した。
キキーッ
車が急ブレーキをかける音がした。
……え?
「臨也っ!」
音のした方を見ると、車がこっちに向かって来ていた。
「っ!」
あまりの驚きに動けなくなって、車を見つめていると、シズちゃんが飛び出してきた。
「危ない臨也っ!」
ドンッ
痛く…ない。
じゃあ今の音は…
恐る恐る振り向いて見ると、そこにはシズちゃんが横たわっていた。
ギリギリのところで俺はシズちゃんに救われたのだ。
「え?…シズ…ちゃん?」
シズちゃんはピクリとも動かない。
「嫌だ!…嫌だ嫌だ嫌だ!シズちゃん…シズちゃんっ!目、覚ましてよっ…!」
その後救急車で搬送されたが、シズちゃんが目を覚ますことは2度となかった。
***
あれから数日がたった。
あの時俺が飛び出さなかったら…すぐによけていたら…何度思った事だろう…何度自分を責めた事だろう…
「シズちゃ、シズちゃんっ…ごめんね…ごめんね…っ」
『臨也』
「…え?」
その時、シズちゃんの声が聞こえた。
『臨也…もう泣くな』
「シズちゃん!?シズちゃんなの!?」
『あぁ』
あぁ…シズちゃんだ…
「シズちゃ…ごめんね、っ…俺のせいで、俺のせいでシズちゃんが…っ」
『臨也が無事で本当に良かった…』
そんな優しいこと言わないでよ…そんなこと言われたら
「シズちゃん…会いたいっ!会いたいよぉ…」
『今は…会えねぇ』
うん、知ってる。
「…分かってる…分かってるけどっ」
『焦る事なんてねぇよ。俺はずっと待ってる』
「ほん…とう?」
『あぁ』
なんで…っ、なんでそんなに優しいの…?
「シズちゃんっ…大好き!愛してるっ!」
『俺もだ…臨也…愛してる……じゃあ、そろそろ…行くな』
「っ…俺、ずっとずっと好きでいるから…絶対にシズちゃんの事、忘れないから…!あ
りがとうシズちゃん…ありがとう…」
***
わかってる。
2度と会う事はない。
2度と触れ合う事もない。
それでも君を愛し続ける。
いつまでも、いつまでも…
それでも君を愛し続ける
初!!死ネタです。
いろいろおかしいですが気にしないで下さい。