R18
一応来神設定です






いつも自分からは近づいてこない臨也が近づいてきたため警戒していると、突然臨也が言った。それも、今まで聞いた事がないくらい明るい声で。


「ねぇシズちゃん…セックスしない？」


…こいつは一体何を考えているんだ？


「…正気か？」


あきれた顔で見ていると薄笑いを浮かべながらこう返された。


「もちろん。あ、そうそう…シズちゃんってさ…童貞でしょ？」

「…は？どう…てい？」

「そ、童貞…違った？」


言葉の意味がわからないから、ただ黙っていることしかできない。


「あ、もしかしてシズちゃん“童貞”の意味知らない？」

「…悪かったな」


あぁ、うぜぇ…人を見下した目で見んじゃねぇ！


「ふふっ…仕方ないなぁ、俺が特別に教えてあげる……童貞っていうのは、性的経験のない男の事を言うんだよ。シズちゃんみたいな…ね」

「せ…って、は？なんでんなこと臨也が知ってんだよ！？」


驚きすぎたせいで思わず口を滑らせてしまった。


「あはっ！そのセリフ肯定だとしか考えられないんだけど？」

「っぅ〜…！」


くそっ！しくじった…いつの間にかこいつのペースに乗せられて…！


自然と顔が赤くなるのが嫌でもわかった。


「あは…はははっ…あははははっ！これだから人間は面白い！」

「…結局手前何が言いてぇんだよ！」

「だ〜から、セックスしようって言ってんじゃん。可哀想なシズちゃんにセックスの楽しさを教えてあげようと思って！それにシズちゃんに童貞卒業させるってのも目的だよ？」

「手前男だろぉが！」

「それがなに？不満？それとも…童貞だから怖い？」


ブチッ
その時俺の中の何かが切れた。


「あぁ？おとなしく聞いてりゃあ、づけづけと物言いやがって！童貞だから怖い？んなわけねぇだろぉがぁぁぁ！！」


そう言って臨也を押し倒した。


「やっとその気になった？」

「黙れ」

「そんな偉そうな事言ってやり方なんて知らないでしょ？」

「っ…」

「あはっ、だと思った！…俺が教えるからその通りにしてね！」

「…後悔させてやっからな」

「…させてみてよ」


そう言った臨也は愉快そうに口角を上げて笑っていた。

そういえばここ屋上だ…
今更そんなことを思いつつもゆっくりと手を近づけていった。


「…まずはどうすんだよ」

「んー…じゃあキスして？」

「キ…！？手前とか！？」

「あっれ〜？後悔させてくれるんじゃなかったっけ？」

「…くそっ」


後悔させてやると言ってしまった手前、後戻りはできない。

仕方なく臨也にキスをした。

初めは触れるか触れないかの軽いものを、そして段々と深く長いものを…


「んっ…シズちゃ…」


っ！…舌入れてきやがった…！

今まで触れ合うだけのキスは愚か、舌を使うようなキスなんてしたことがなかった俺は取りあえず臨也の真似をする事にした。


「ふぁ…シズちゃん、以外とキスうまいね…」


っ…こいつ…なんて顔してやがる…

うっすらと涙を浮かべながら上目遣いをしている臨也の顔はどう見ても誘っている顔だった。


「シズちゃん…もっと…」

「っ…！」


この一言で理性なんて崩れ去った。

欲しい。臨也の全てが欲しい…

己の中の欲望がふつふつと沸き上がってきているのがわかった。



＊＊＊



「んっ、ふぁっ……は、ははっ…シズちゃん、童貞なんじゃ…なかったっけ…？」


つい先程まであった余裕の表情は消え去り、半開きの口からは熱っぽい吐息と喘ぎ声が漏れだしてきていた。

そんな臨也の姿を見て我慢などできるはずなどなく、律動を早めていった。


「シズちゃ…はや、いっ…あぁっ、んっ、な…んでっ…そんな、うまいわ…け？」

「手前は黙って、喘いで、ろ…っ」


あれ？こいつの顔って…こんなに可愛かったか？

俺の頭の中に１つの疑問が浮かんだ。


「ちょっと…それ、酷くなっ…んっ、はぁっ、シズ、ちゃ…も、イくっ、イっちゃっ……や、あぁぁぁっ！！」

「っ…」


そして２人ほぼ同時に達した。


この時俺は確信した。
俺はこいつの事が好きなんだ…と。



＊＊＊



「シズちゃん、童貞卒業おめでとう！これでやっと大人の仲間入りかな？」


そう言いながら無邪気に笑う臨也を心の底から愛しいと思った。


「臨也…」

「なに？今更文句でも言うつもり？ははっ、残念だったね。どんなに文句言った……っ！？」


１度気づいてしまえば簡単なものだった。

優しく臨也をだきしめ耳元で囁いた。


「好きだ…」

「っ！」


臨也の体が強張るのがわかった。


「手前が俺の事嫌ってるのは知っ
「……よ…」」


俺の言葉を遮るようにして臨也は言った。


「遅いよ…バカッ！」


抱き締めている手を離し臨也の顔を見ると、涙を流しながら裏のない奇麗な笑顔で笑っていた。



Provocation





provocation=挑発
臨也は静雄の事が好きだったから挑発したんですよ。