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- ナノ -
2016 09/15

お題即興SS


七夜は目の前のフェミニストを見て、大きくため息をついた。今日は薫のお茶の誘いに乗って、最近雑誌で紹介された少しおしゃれな喫茶店に来ている。会話はいつも通り。学院のことから女の子の流行り物の話とか。

今薫の瞳に浮かぶのは恋愛感情だ。それは間違いなく読み取れる。それはつまり、七夜を恋愛的な目で見ているということで。

「あ、七夜ちゃん。ケーキ来たよ。」
「おお〜。美味しそう。薫の奢りだから安心して食べられる。」
「七夜ちゃんの方がお金持ってるだろうけどね。デートで女の子にお金は払わさないよ。」
「あ、それ一口欲しい。」
「いいよ〜。はい、あーん。」

そう言ってフォークに刺さったケーキを七夜に向ける。こんなこと他の人とならしょっちゅうあったし、今みたい躊躇うことはなかった。

――――なんだろう。この形容しがたい気持ちは。いつもなら圧倒的な頭の回転で難なく答えが出ていたはずなのに、からからと空回りするばかり。

薫のことを考えると、たまにそういう事が起こるのだ。なぜ、薫だとそうなるのか。空回った頭じゃ、何も考えるとこはできなかった。