ナンプレ
『なあ残夏。何やってんの?』
朝、朝食をとるためラウンジへ向かった。
この時間帯だと残夏しか居ないのかな。そう思いつつラウンジへ入ると案の定、残夏だけがそこにいた。
いつもは「おはよう」と声をかけてくれるのだが今日は違うようだ。
何やら、手帳サイズの本とペンを持ち「うーん…」と首を捻り、考え事をしているよう。
その様子が気になり、顔をのぞき込んで聞いてみた。
するとようやく俺の存在に気がついたのかいつもより遅めの「おはよう」とゆう声が返ってくる。
手元の本を見てみると
『ナンプレ…?』
「うん、最近ハマっちゃってさ〜。なかなか癖になるんだよね。」
『へぇ…俺もやってみたいな…』
パズル系のゲーム好きだし、暇潰しには良いかも知れないな。
「やってみる?」
『やる』
残夏からペンと本を貸してもらい問題を解いていく。
おぉ。なかなか楽しい。
これはハマるな。残夏が言うのもわかる気がする。
数日後───
「何やってんの」
『何って、ナンプレ?』
俺の手元をみて、突然残夏は怪訝な顔で訪ねた。
なぜそんな顔をするんだ。顔に何かついてたか。
「そんなに歪なナンプレ、見たこと無いんだけど。」
ああ、なる程。そうゆうことか。
『普通のナンプレは飽きちゃって。なかなか面白いよ?』
「もう、ここまで来たらその手のプロになれるんじゃない?」
『いやいや。そこまで行かないよ』
ご冗談をとケラケラ笑っといたが、それからまた数日後、残夏にナンプレをやめろと言われてしまった。
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雨月物語夢主は、ハマったらとことんタイプ
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