今日の夕焼けはまるで血みたいに赤々しくて仰々しかった。アヤシイかんじと何かが起きそうな何かをふつふつと感じる。そもそもとして僕と赤は相性がいいのだ。赤とは魅惑的であり狂気を象徴し、普段の青寄りの紫とは違った荒々しさを発するのだ。そう、僕であり僕でない何かが沸き立つのさ。月のない夜素みたいに晴らしい何かが始まりそうな予感が頭を掠めて口角が歪んだ。

持っている本からは僕と共鳴するように赤い塊がにやりと笑って刺々しい爪を宙にあげた。沈みかけの太陽に雲が被さって陰ってしまえば辺りは真っ暗でまさに夜、闇だった。




「…これは何かが起こるな…!」

「現在進行形で私がドン引きですが」

「違う!こんな闇が深くてアヤシイ夜は何かが起こっても不思議じゃないって言いたかったんだ!」

「…………」

「なんだよ」

「手とか目とかが自分の予期しない動きをしたりしてない?」
「だからなんだよ」

「………」


「言いたいことがあるならハッキリ言えよ!」

「ちゅうにびょう」

「なんだよそれ」





2012/09/22
手とか目とかってもしかしてシグのことかい?


 
 
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