▼連帯責任
あーこほんこほん。
只今総会の真っ只中!…のはずなんですけど何故でしょう。
狒々様の護衛という名目で来た下っ端の私までその中に入れられてしまって息することもままなりません。
本当に何故………
「なまえ、話ちゃんと聞いとるか?ん?」
狒々様は他の者に気付かれないように肘で軽く脇腹を突ついてきたけれども、それは私に言っているのだろうか?
いやいや、総会の話は狒々様こそ聞くべきであって、私なんかが耳にしていいようなものではない。
全くこの方は一体何を考えているのやら……
「おい、聞いとるのか?」
「いえ、あの、聞いてませんが…」
訳も分からずに正直に返せば狒々様は顔をこれでもかと言うくらい真っ青にさせて汗をたらりと流した。
「儂、なまえがいるから大丈夫じゃと思って何も聞いてないぞ」
………は?
え、うそうそ、そんな事ないですよね?さすがに組の大将が何も聞いてないなんて…
「まずいぞなまえ、もう話が終わりそうだ」
ウソだウソだウソだウソだ…
「ん?なんだ狒々、お主ちゃんと儂の話聞いとるのかぁ?」
「た、大将…え、いやぁ…な、なまえ」
「ええ゛、急に私に振らないで下さいよ!困ります!」
「じゃあ何のために中まで入ったんじゃー」
「知りませんよ、それこそ狒々様が有無も言わさず連れて入ったんじゃないですか」
「そりゃ代わりに話を聞いて貰う為に決まっとるじゃろぉ」
「一言もそんな事仰いませんでしたよっ!」
「儂の護衛ならそれくらい分かって欲しいのぅ」
「何言ってるんですか!人も妖も口で言わなきゃ伝わらないことの方ががほとんどでしょうに!」
「それでもなまえなら分かってくれると信じてたんじゃい」
「えぇーい、煩ぁぁぁーい!貴様らそこに直れぇーぃ!」
…結局二人は仲良く総大将様に叱られましたとさ。
(ちゃんちゃん)
こんな事って有るのだろうか(^^;)?
mugi.20111012
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