義妹とお茶
「あ、ささ美ちゃんだ♪」
「霖音様!」
「いま休憩中?」
「はい、パトロールは当番制ですし一通り終えましたので」
「なら一緒にお茶しようっ」
霖音は丁度中庭に降りて来たささ美をすかさず捕まえて居間に連れて行った
ささ美は報告が…とも思ったが、せっかく慕っている霖音に誘われたのだ、どちらが優先かと天秤を掛ければ何のこともなく霖音に傾いた
「ささ美ちゃんも仕事熱心だよね〜。ダメだよ、たまにはのんびり寛がなきゃ」
のほほんと、まるで背後に花でも咲かせているように霖音は微笑みながら茶を啜っていた
それを見て癒しを覚えない者は滅多なことでも無ければいない
「一体兄さんはどうやって姫君を落としたのか…」
ささ美は霖音を横目で見ながらポソリと呟いた
理解に苦しむ…否、別に咎めている訳じゃなく、寧ろその逆で「よくやった」と褒められる程の功績
…が、やはり如何せん
「失礼ながら、霖音様は兄さんのどこに惚れられたのでしょう?」
「やだな…ささ美ちゃん、私のことはお義姉さん≠烽オくは霖音さん≠チて呼んでよ」
「え?いや、あの…」
「最近は黒羽丸だって名前で呼んでくれるよ?だからささ美ちゃんもっ、ね」
「……はい」
(兄さん貴方という者は…なんて羨ましいポジションにいるんだ、代われ!)
「私もっとささ美ちゃんと仲良くなりたいなっ♪だってもう義姉妹でしょ?」
そう言われてしまえば、ささ美はもう何も反論できなかった
折角のご厚意、無碍にはできない
「ささ美ぃーまだ帰っていないのかー」
「「………」」
だがそんな感極まっていたささ美に打撃を与えたのは誰でもない父だった
(あぁいい雰囲気だったのに台無しだ。…まさか図られたのか!?)
一気にドンヨリとした空気を醸し出すささ美を霖音は気にかけたが近付いてくる遽しい音に意識を向けた
トントン 失礼します、と
「すいません、霖音様っ!ささ美の奴を見ておりませんか…ってささ美ぃー」
カラス天狗は襖を開けた
当然ささ美は先程よりもさらに一段とドンヨリしている
「あ、ごめんなさい。私が引っ張って来ちゃったの…だから咎めないでね」
いきなり現れて怒鳴った鴉天狗に霖音はへらっと、しかし頭を下げて謝り、今度は鴉天狗が顔を青くして絶叫した
「霖音様ぁお顔をお上げ下さい!霖音様ぁぁぁぁ」
霖音に頭を下げさせてしまったと泣きつく鴉天狗に今度は霖音様が困惑気味に
それを見たささ美は、なんだか面白い…と心の内にクスリと笑った
他人ごとのように…
「なんだこれは」
仕事を終え、帰ってきた黒羽丸が見たのは自分の家族にもみくちゃにされている霖音だった
とにかく書きたかったのは鴉天狗一族はみんな霖音が好きだってこと(笑)
あと、トサカ丸と濡鴉様とも絡ませたいw
20110927
20120118 改
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