ガールズトーク

辺りには夕闇が満ち始め、黒羽丸がパトロールに向かっていて留守の頃合い…

毛倡妓と氷麗と霖音で夕餉の準備に取りかかりながら女だけの話に花を咲かせていた

「ところで霖音様は黒羽丸とどこまで進んでいるんですか?やっぱりもう最後までいきましたぁ?」
「な、あ、あ…」

「………」

なんて事を聞く女(ヒト)だろう…
お陰様で霖音はガッチリと固まって、氷麗なんかは顔を赤らめて口をパクパクと開閉して餌を求める鯉のようだ
時折氷麗のどこか掠れたような声が聞こないこともない

「で、霖音様、実際の所はどうなんですか?」
「あーそれは…う〜ん……」

何と答えればいいのだろうか?
こういった質問は今までにされたことが一切なかったため…霖音はその対応に非常に困っていた

正直に言うと何もない

やっと呼び捨てで呼んで貰えるようになったくらい
それも二人きりという限られた範囲付きで、だ

でもそれは霖音と黒羽丸の二人にとっては致し方ないこと
想いが通じて即結婚…恋人という期間が全くと言っていいほど無かったのだから

だが逆に言い換えれば、二人は新婚旅行もまだの初々しい夫婦

「あの、毛倡妓姐さん?そんなに期待しないでくれませんか…ホント何も有りませんので」
「またまたぁ〜」

「………」

「ほらほら、雪女も知りたいみたいですよっ!」
「霖音様!ぜひっ」

ぜひと言われてキラキラと期待の眼差しを向けられても霖音の答えは一文字も変わらない
興奮気味の毛倡妓を尻目に、霖音は次第に自分の顔が引きつっていくのを第三者の目線で感じていた

「本当に何もなくてですね。二人きりの時だけ名前で呼び合うようになったくらいですハイ」
「「えぇ゛」」

いやはやまさか…毛倡妓は本当に何も進展がないなんて思ってもみなかったからかなり焦った
だが追々、冷静になって考えてみれば相手はあの黒羽丸
何もないことも彼ならば理解してしまえることに…毛倡妓は遠い目をした

「霖音様、ならばもっと攻めてみては如何でしょう」
「へ?」
「そうよ、私達に任せなさい!」

先程自分は何も無いと答えたし、それを彼女たちも理解してくれたはずだから…と、もうこれ以上変な詮索はされないと思っていたのだが、霖音はあれよこれよと、いつの間にか毛倡妓と氷麗に好きなようにさせられていた

「あの、これは一体…?」
困惑する霖音に毛倡妓と氷麗はニヤリと笑った



続きます(笑)
黒羽丸が出てこないよ^^;
あと若菜さんがいない…
きっと足りない物の買い出しに行ったんだろうなっ←

20110927
20120118 改









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