だれもしらない | ナノ




「じゃあ俺はちょっと出掛けてくるけど、二人ともおとなしくしててよ」

 ばたん。そういっていざやくんはいつものまっくろなコートをきてそとにいってしまった。なみえさんもきょうはおやすみ。ひろいおうちにはいま、おれとつがるのふたりだけ。……なんか、どきどきする。となりでプリンをはぐはぐとたべてるつがるがとってもかわいくて。でももっとおれのことをみてほしいな、っておもったりもして。まえにいざやくんがしずちゃんのことひとりじめしたいっていってたのをちょっとおもいだした。おれも、おれもね。つがるのことひとりじめしたいよ。おれたちはいざやくんのおかげでこうしていられるからわがままなんていえないけど。でもね。おれはつがるがだいすきで、だからつがるにももっとおれのことすきになってほしいんだ。おれ、わがままなのかな?

「つがるっ」
「……? サイケもプリンたべる?」
「ううん、プリンじゃなくてつがるがたべたい!」
「っ、サイケっ……」

 ちゅーってつがるのやわらかいくちびるにすいついたら、つがるのてからスプーンがおちちゃったけどきにならなかった。あとでふいとけばいざやくんおこらないよね? ほんとはおふとんにつれていきたかったけどがまんできなくて、そのままおしたおしてつがるのあったかいはだをさわる。びくびくってはんのうして、やらしいこえだすの。かわいいなあ、つがる。こえがきこえにくくていやだったからヘッドホンをはずして、それをつがるにつけてあげた。コードがつめたいの? ねえつがる、そんなにふるえちゃって。

「ふぁっ、ん、やっ……」
「いやじゃないでしょ? もうこんなになってる……」
「ひ、あ、ああっ!」

 ちょっとせまいけどゆびをいれたらきゅってしめつけられて、おれのからだもぞくぞくする。いけないことしてるのかな。もしいざやくんにみつかったらおこられちゃうかな。わかんない。わかんないけど、つがるがかわいくてかわいくて、どうすればいいかもっとわかんない。あついよ。おれも、つがるも。

「つがる……いれるね、」
「っん、あ、うん……ひああっ! あ、サイケ、ああっ」
「ふっ……! ん、ぜんぶはいった……」

 いつもはおれよりもずっとひくいこえでうたうつがるが、おれとこういうことしてるときはすごくかわいいこえをだす。おれだけがしってるひみつみたいでうれしいんだ。だからこっそりろくおんして、よるにひとりできくの。そうするとからだがあつくなってね、またつがるとしたくなっちゃうんだけど……これはつがるにもひみつ。だってもしそんなことつがるがしったら、おれきらわれちゃうかもしれない。そんなのいやだもん!

「つがる、つがるかわいい、もっといっぱいこえだして、」
「んう、あ、ひあっ、サイケ、サイケぇっ……!」
「だーいすきだよ、おれだけのかわいいつがる……」
「おれもっ……サイケ、すき……」

 いざやくんがかえってこなければずっとつがるとつながったままでいられるのに、なんてかんがえちゃうほど、おれはつがるがだいすきだ!



(100704)





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