Q 明日、地球が滅びるとしたらあなたはどうしますか?






         How  about...?
















IF

(もし・・・)














「もし、私がシュウを嫌いになったらどうする?」
「何だよ。俺の事嫌いになったわけ?」


これは新手の嫌がらせか。それとも、本気で言っているのだろうか?
ああ、それにしても何て今日は暑いんだ。


「もし、って言ったでしょう!・・・で、どうする?」
「じゃあ、俺がもし、さくらを嫌いって言ったらどうする?」
「何だとぉ!」


これは仕返し?
あぅー、シュウは意地悪だったよー。聞く相手間違えたかなぁ・・・
それにしても、今日はムカつくほど暑いんですけどー!


「まぁ。さくらが俺の事嫌いになるはずないだろう」
「何、その自信どっから出てくんの」
「俺がさくらを嫌いにならない事から分かるんだよ」
「・・・!」


・・・今の言ってから、恥ずかしくなったんですけど。

ていうか、何か反応してくれよ!


「・・・今日は、暑いねー(ふぅ)」
「暑いな・・(もう、疲れたよ)」









ミーン

何故か木にへばりついていたセミの事を思い出してしまった。
毎年毎年、うるさかったよ。
そう言えばここ何年も鳴き声聞いてないなぁ


「じゃあさ」


さくらが、また何か思いついたように声を出すが、無視を決め込む。
だって、暑い。ここでは珍しいほど今日は暑いのだ。
一言しゃべっただけで汗がダーと流れてきてしまいそうだ。
こんな事なら、保健室か図書室に非難するべきだった。
ちなみにここは、食堂横に設置された簡易テラス。

「シカトですか〜・・・」
「・・・」


シュウは聞えてるはずなのに無視してる。
私ばっかり、しゃべって馬鹿みたいじゃん。しかも、汗だくだくだよ!
ああ、いいさ。言ってやる。









「もし、明日、地球が滅びるとしたら、どうする?」
「はぁ!?」


何言ってるんだ。コイツ?
暑さでとうとう、イカレたか?
哀れみの目を向ける。


「どうする?」


予想通りのシュウの反応。
間抜けに口がポカンと開いてる。ば〜か!
でも、何よ。その哀れむ目は!?









「地球がそんなに突然滅びるわけないだろう」
「だから、もし、って言ったでしょ」


Qもし、明日地球が滅びるとしたら



「難しい問題だな」
「太郎なら亜紀に、ひたすら愛の言葉とか言ってそうじゃない?」
「それは、いつもだろう」


そうだったね

そうだよ



「さぁ、さぁ、シュウの答えは!?」
「(うぜー)」


さくらはコレと無いほど、シュウを見つめる。
シュウはさくらほ頬を抓る。


「はひふぬのー(何するのー)!」
「お前は?」
「ふへ?」


シュウが私の頬を開放する。
それが、妙に嬉しかったけど、ヒリヒリする頬から熱が伝わってきて余計に暑くなった。


「さくらは、明日地球が滅びるとしたらどうするわけ?」
「me?」
「Yes.」


まずは、自分の意見を聞かせろ。
と言うか、こんな馬鹿らしい事を本気で考えている俺は何て律儀なんだろうか。
暑いから何も考えたくは無いが、やはりさくらに返事を返したいと言う心が働いてしまうのだ。

心底コイツに惚れているらしい。

暑いな・・


「そうだねー」


ミーンミーン


聴覚がおかしくなったのかなぁ
懐かしいセミの鳴き声が聞えるよ〜

まぁ、いいや。


「笑う」


ああ、笑ってやるさ


「え?」
「私なら、笑ってるよ」


コイツは悪魔か?
世界が滅びようとしているのに、笑うとかあり得ないだろう。
というか、やっぱり頭イカレたのか。
どっちにしろ、さくらは何時もにもまして可笑しい事は確かだ。


「何で笑うんだよ」
「ねぇ、セミの鳴き声しない?」


無視かよ。

・・・セミって夏に生息する、うるさいアレか。


「別にセミの鳴き声なんか・・・」


ミーン


「・・・」
「・・・した?」


Why?


「さくら、あれを見ろ」


シュウが向こうを指差した。
私は何?と呟きながら、その向こう、大きな佇んでいる木を見据える。





・・・。



「・・・アレって」
「何も、言うな・・・」


言ったら、駄目だ。


「セミの鳴き声は空耳だ」
「うん、分かった・・・」


向こうには、大きな大きな木があった。
この際、どうして木があるのかは気にしていられない。ここは、学校なのだから。自然を大事にしているのだ。

そして、その木に登ってコアラのようにへばり付く太郎がいた。
しかも、ミーンと鳴いている。いや、泣いている?
彼は首席だったが、セミだった。


「亜紀にでも振られたんじゃ・・・」


もう、何も言うまい。


ミーンミーン(←太郎)


















空は快晴。
最高温度の今日、夏休みまで後目前と迫ってきた。

開けられた窓から、少しだけ涼しい風が入ってくる。
さくらは、無意識に瞳を閉じる。

シュウはこんなクソ暑いのに本を読み出していた。
しかも、メガネをかけている。

ああ、もう!カッコよすぎだ。コンチクショウ!!

何て、思ってたら頬が赤くなってきたからシュウに見えないように顔を反る。









「私ね」


さくらがぽつりと言う。
俺は本のページを1つめくる。


「地球最後のときまで、笑っていたいのよ」
「・・・なんで?」


シュウがまた、ぺラリと本のページをめくる。
読むスピードが速いなぁ・・・と思いながら、大木(首席の太郎はもういなかった)を見る。











「私は世界中の誰よりも幸せに死んでいくのよ」
「・・・は」


正直吃驚した。


「最後まで笑顔でいたいんだよね」
「そっか」
「うん」



サワサワ

木が揺れる。

太郎と亜紀の声が聞えた。

良かったね、太郎

亜紀はさ、本当は太郎が大好きなんだよ?
だって、ね。亜紀ってば、前に、「世界が滅るとしたら、どうする?」って聞いたら、何ていったと思う?

「私は最後の時まで太郎と一緒にいたいわ」って答えたんだよ。
その時の微笑む彼女の顔は、とても綺麗だった。


あ、ユウの声も聞える。



「ねぇ、シュウ」
「なに?」


向こうを見たまま、さくらが言った。
今度は返事を返す。本は、テーブルの上に投げる。
読んでいたら暑くなってしまった。










「ずぅーと、世界が滅びなかったらいいね」
「・・滅びるわけないだろ」


滅びるわけがない。

隕石が落ちてきたって、何故か自分達は生きている気がするのは何故だろう。
どうなるのだろうか。

ふと、考えてみる。











サワサワ



涼しい風が吹く。
テラスがカタカタ揺れる。











Q 








「もし、地球が滅びるとしたら」











明日も相当暑くなりそうだな。














A


「私と一緒に笑っていてくれる?」




































Q & A




























「上等」



シュウは二カっと笑った。




























滅びるまであと何日?


共通上下表示テキスト 保存しないでプレビュー 保存する 戻る 編集トップ - ナノ -


back



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -