暗い闇の中でうごめいたもの。それは数多に浮かぶ星の一部だった。まるでジャンボなハンバーガーを頬張っているときのように口がポカンと緩んでしまう。大きかったり小さかったり、様々な星。それでも、それぞれが確かな光を纏うのだ。ポカンと口を開けて上を向いて私はこの世界に思いを馳せる。見上げ続ければ、いつか首がひん曲がってしまうだろうと思えるくらい。壮大に広がるこの空の下で私たちなどちっぽけにすぎない。ここから見えるちっぽけな星にさえ私は敵わない。私からは小さく取るに足らないミジンコサイズの星だとしても、実際はとても大きな存在なのだ。地球上から見えるということは、宇宙から見た場合、とてつもなく大きいのだろう。離れたここからでも存在を知らしめるそれは、本当は凄いヤツなのだ。見えるものすべてが事実ではない。大きいものは確かに大きい。だが、小さいからといって事実ではない。私なんて近寄ることさえできないほどに遠い遠い存在の星なのだ。ただ単に地球との距離が近いだけなのかもしれないが。人が見える星に魅了されるのは仕方がない。光のない面白みのない小さくしか見えない星も存在する。分けられる。そして星を形どった星座は実に興味いと思う。興味深いのは確かだけど、全然、まったく、どうしてこんな名前になったのかさえ分からない星座も沢山ある。ふむふむ。意味不明だ。
だけど、この世界、意味不明なことは数多にあり。もっともっともっと溢れていて、一番身近なことといえば恋愛だと思っている。恋愛はとても難解だ。抜け出そうとして出来るものじゃない。知らないうちに、本当に気がつかないうちに、相手の事を考えている自分がいて、ちょっとの事でドキドキしたり切なくなったり、苦しくて、悲しくて。その恋に気がついてしまえば悩まずにはいられない。非常に厄介極まりないことで、できることなら消えて欲しい。それなのに恋は止められない。止められない。止めることは出来ない。出来ない。














マジ、意味分かんねぇ!!









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太陽の周りをぐるぐるぐるぐる。
1年に365回も回って過ごす地球
そして、その地球が自ら自転して、人間の生活に朝と昼と夜を作り出してくれていることであって、欠かせない出来事だ。自然の出来事だけど、もしこれが当たり前じゃなかったら、どうなるのだろう。確実に当たり前なんて世の中存在しない。するとしてもそれはほんの一握り程度なのかもしれなくて、でもいつかは悲しくも崩れ去ってしまうかもしれない。絶対とは言い切れないのだ。けれど、もしもそのことに気がつけたのなら。どれほどに今を幸せだと気が付くことができたならば、と問いかける術はなく。きっと。今となりにいる人も当たり前だと言い切れないし、明日になれば死んでいるかもしれない。そして自分も例外じゃない。生きることにも当たり前は存在しない。太陽だって星だって月だって存在し続けるなんて誰が断定できるのか。もしも、朝が来なければ人々はたちまち狂ってしまうだろう、夜が来なければ休むことができない。眠るということに混乱が生じてしまうだろう。昼が来なければ明るい日差しがカーテンを照らす事はない。そして日本の季節は公転しているからこそ感じれる。もしそれがなければ1年中同じ気候で嫌気が差すのか。雪が降る冬が来なくて、海に行く夏がなく。当たり前と思っていたのは当たり前ではなかった。季節はぐるぐるぐるぐる巡って、知らないうちに1年が過ぎて。そしてまた巡って。


生きている中でこれ程に意味不明なことはない。








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気が付けば、真っ暗だった部屋が窓から差し込んできた外の光で明るくなっていた。目を開けることが辛く、思わず布団を被ってしまう。そのまま眠りに落ちて寝過ごす事もしばしば。
朝が来た。
昼、いろんな人達と話したり、遊んだり、1日の中間部分であって洗濯物を干していたら太陽が真上だった。さんさんさん浴びていく。

夜、明日の事を考えて、まだ来ない朝に少しだけ恐怖、期待を宿し目を閉じ、夢の中に落ちる。眠る前は怖かったり、1人でいるのが寂しくて誰かにいてほしくて、だけど独りで。1度眠ってしまえばすぐに朝がやってくる。でも、当たり前なんて言えない。









明けない夜はないのだから  ないことを祈っていて




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ふと、考えてみれば今日というこの日は月食の日だった。月が地球上から消えるこの日に恐怖さえ感じてしまう。ただでさえ怖くて寂しくてどうしようもない夜に光が空にないなんて何を見つめていれば良いのだろうか。当たり前のものがなくなるなんて。目印がなくなるなんて。キラキラキラ・・・輝いていたのは何か。名も無い星が輝けていたのは夜が暗すぎたからなのか。だけど、きっと、それは


だけど消えてなんかない。月は消えてなんかない。


日食も月食も、ただ単に見えなくなるだけで、本当に消えてなどいない。本当に少しの間だけここから見えなくなってしまうだけで必ずそこには月も太陽も、ちゃんと存在している。存在していてくれている。当たり前みたいに存在して、だけど月を見えなくさせているのは地球。太陽を見えなくさせているのは月。だけど、それは必ず過ぎて行く。また、ひょっこりと現れてくる。姿を現し、存在を証明してくれるのだ。あたかも今まで消えていたかのように。真っ暗なこの空では何も見えない。そこに月があると分かっているのに震える体。何に怯えて恐怖するのかさえ分からないのに。それだけに悲しくて。




それでも、明けない夜はない。月も太陽も確かに、いつも存在しているように。当たり前のように。


必ず朝はやってくる。


それだけに安心した。
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ガンガンと耳元でうるさい目覚まし音に手を伸ばして普段どおりにパチンと押して黙らせる。重たい瞼を持ち上げれば、眩しい眩しい太陽が窓を覆うカーテンを照らしている。カーテンの隙間から部屋の中に少しの光が零れる。まだ起き抜けで機能しない頭は、ボーっとして、キラキラ輝く星がないあの空にさよならをして、明るい朝の空を見つめれば、1日の始まりを知り、そして欠伸がひとつでた。ゆっくりと上半身を起こせば優しい匂いに包まれる。あれほど怖かった夜が嘘のように消えて、不思議な感覚。ああ、長い夢を見ていた気がするのは何故だろう。


眉をこすってベットから立ち上がろうとしたとき隣で何かが動いた気がした。温かいベットにもう1度だけ体を預けてしまいたくなる。




「おはよう」




どんなに怖い夜だって、星が輝かない真っ暗な夜だって、月もない夜でも、体が震えても涙が出ても、きっとこの温かさがあれば、きっと私は何度だって夢に恐怖心もなく、落ちることは出来るのだろう。真っ暗な空に輝けた名もない星はその温かさのおかげなのかもしれない。そして、私は笑顔になれる。笑顔で言う。月が太陽が見えなくなったとしても、もう見失う事はないのだから。あなたがここにいるから、私を抱きしめてくれるあなたが、いて



「うん、おはよう」




今日もまた1日が始まる。




明けない夜はないんだ、きっと
























明日どこか地球で目覚めたら



(あなたが傍にいる、それだけで)






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