手紙を貰った。
いや、手紙というか挑戦状みたいな感じで裏庭に来い、と乱雑に書かれた文字。上には折原臨也へ、と書かれており最後には差出人とおぼしき人物、平和島静雄と書かれていた。

「平和島静雄?誰だろ」
「おはよー臨也。どうしたのそれ?」
「んー、なんか入ってた」
「誰から?…あぁ、静雄からか」
「知ってる人?」
「うん。まぁ行ってきなよ」

とん と背中を押されて来たばかりの下駄箱から離れ、人がいない裏庭へと足を運んだ。手紙を片手にキョロキョロと辺りを見渡せばぽん、と肩を叩かれる。

「あ―…来てくれたんだな」
「平和島静雄、君?」

振り替えれば少しだらしなくブレザーを着た金髪の少年がいた。手紙の主と思い名前を出せばコクリと頷く。

「俺に何か用かな?」
「あー、なんつーか」

ボリボリと頭をかきながら視線をさ迷わせる。何か言いにくい事だろうかと小首を傾げながら次の言葉を待つ。

「――…っ!あぁめんどくせぇ!」

チッと舌打ちをしてまっすぐ視線を合わせてくる。

「あんたを呼び出したのは、あぁ――…好き、でよ。あんたが好きなんだ。付き合ってくんねぇ?」

人生を16年生きていたが、これ程までに驚いてしまったことはない。俺はただ目を見開く事しか出来なかった。


教室に戻ればニコニコ顔の新羅が向かい入れる。ご丁寧に手まで上げて。

「知ってたんだね」
「あぁ、やっぱり告白されたみたいだね。で、どうしたの?」
「とりあえず君に対する文句は伏せておくよ。流石の俺も同姓に告白されたのは初めてだからね、びっくりしたよ」
「気持ち悪いって思うかい?」
「いいや。俺はそういう偏見は持っていないよ。好意を持たれるのは嬉しい、よ」

先ほどの静雄の顔がフラッシュバックし、照れ気味に頬をポリポリとかく。そんな臨也の様子を見て新羅はクスリと笑う。

「付き合う、ってわかんないし。静雄君の事も知らないから友達からならいいよって言った。ねぇ新羅ダメだったかな?」
「僕はそれでもいいと思うよ。着々と距離を縮めていくのもいいしね。臨也次第だから」
「ん、そか」

授業が始まっても内容なんて頭に入ってこなかった。あるのは先ほど会った平和島静雄という青年。好きだ、と自分に言った。金髪で怖い印象があるが、言葉一つ一つに凛とした感情があって心に深く刻み込んだ。窓際の席からは運動場が丸見えでその様子をじっと見つめる。体育の授業をしているのか、体操着姿の人が多数いる。その中には平和島静雄もいた。

(サッカー、してる……)

最早、授業という時間さえ忘れて静雄を見つめていた。


日番の生徒の号令ではっと我に返る。授業は終わり、俺のノートは真っ白。くそう、あとで新羅に見せてもらおう。四時間目が終え、クラスメイトは昼食の準備にとりかかっていた。

「どうしたんだい臨也?珍しいね、ノートが真っ白だ」
「うるさい。後でノート見せてよ」
「まぁいいけど。とりあえず昼食を食べようよ。セルティの手作り弁当が僕を待ってるんだ!」
「あぁはいはい。ノロケ乙」
「――臨也」

周りはうるさいはずなのに、はっきりと耳に届く声。これは、平和島静雄の声。

「な、何?」
「弁当、一緒に食わねぇ?」

臨也と名前呼びされていることには突っ込まない。だけど、一緒に昼食をとることには突っ込ませてほしい。

「なんで?」
「なんでって……」
「まぁまぁ静雄と食べてきなよ。私は門田君とこにいくから」
「え…っ、新羅!?」

さよーならーと手を降って行ってしまった後ろ姿に若干苛立ちを持ちながらも平和島静雄に向き合う。

「えーと、とりあえず屋上行こうか」
「っいいのか!?」
「うん。だって一人って寂しい、しさ……」
「よしっ行くか」

そう言い、俺の腕を掴んで屋上へと駆けていった。


あと数分後には平和島静雄にキスをされて、再度告白される事を俺はまだ知らない。





してます

(あぁくそっ!心臓がおかしいくらいに早い…!)


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青い恋を目指し、たんだ、よ!だれだこいつら状態すみませんんんん...。





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