暁 | ナノ




阿呆(角飛)







「なー角都。今回の任務って結局なにしたらいーんだ?」

飛段は俺に聞いてくる。
俺はため息をついた後、答えてやる。

「簡単に言うと囮役だ。貴様話聞いてなかったのか」

飛段はは口を尖らせる。

「だってよー。あのクソリーダーがごちゃごちゃ話なげーんだよ」

こいつはいつもいつも話を聞かん。
聞けないのか?とても同じ言語を使っているとは思えん知能の低さ。最近のガキは皆こうなのか?

「つーか俺らが囮!?聞いてねぇよ!」

「さっき説明してただろう」

この阿呆はいつもいつも……

「ちゃんと話を聞いておけ。さもないと死ぬぞ」

「あっ、それを俺に言うかよ、角都」

俺は任務の準備を進める。
すると飛段が思い付いたようにどっか行った。
また迷子にならなければいいが。
目を話すとすぐに迷子になる。
何度俺から離れるなと言っても聞かん。
……阿呆に何をいっても無駄か。

「かーくーずー!」

俺は顔をあげ、飛段を見る。

「ゲハハ!やるよ!」

差し出してきたのは手紙の様なもの。
封筒に入れられている。

「……なんだこれは」

「何って、手紙だよ。まぁ開けろって!」

手紙を受けとり、封をあける。
中の紙を取りだし、開いた。

「…………!」

「どう?なぁどうだ?」

飛段が俺の周りをうろつく。
俺は手紙の文字を読んでいく。
内容は………濃厚なラブレターだった。


「……………」

俺はその手紙を懐にしまう。
……この阿呆が。

「なぁ、どうだったって聞いてんだけど」

俺は飛段をチラリと見た後、任務の準備に再度取りかかる。

「……………こんなの書かんでも貴様の事は熟知している」

「…………そうか!」

飛段はポカンとした後、笑顔でそう答えた。
俺は目線を飛段から荷物に移す。

「…………俺も好きだ」

飛段に聞こえないようにつぶやく。





この阿呆の相手が務まるのは、この俺だ。






Fin


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