暁 | ナノ




彼氏の顔(角飛)








「角都ー!」

スパーンッと襖をあけた飛段。
角都は読んでいた新聞をしまい、答える。

「何だ騒々しい」

「デイダラちゃん達が顔見せてほしいってさ」

「………そうか」

いきなり何を言い出すと思ったらそんなことかと、角都は思い、デイダラの所へ行くことにした。

リビングに行けば、デイダラやサソリ、鬼鮫にイタチまでいた。

「お!?見せてくれるのか!?うん!?」

デイダラは角都の顔を見て目を輝かせる。
サソリは目をひんむき、じっと角都を見る。鬼鮫は何やらニヤニヤしている。
イタチはひたすら団子を食べていた。

「……なんの話だ」

「だぁからー、顔、見せてやれよ」

「…………そういうことか」

角都は飛段が言いたいことを理解し、落胆した。
重要な事かと思えば、ただくだらない用件だったみたいだ。

「本当にイケメンなのかよ」

サソリが眉を潜める。
その言葉に飛段は反論した。

「マジで格好良いんだよ!なんつーかな…ワイルドな感じ!」

「ワイルドねぇ……」

角都はそんな光景を見たあと、自室へ帰ろうとする。

「おぉーっと!だめだぜ角都!」

飛段が角都の腕をつかんだ。

「…何故俺がこいつらにわざわざ顔を見せねばならんのだ」

「なんだよー。減るものじゃねーからいいだろ?お願いっ、角都ちゃん!」

角都はため息をついた。
顔を見せねば返してくれないだろう。
角都は凄く嫌な顔をしたあと、仕方なく口布を外した。というか頭の頭巾ごと脱いだ。

「おお……」

デイダラが声を漏らす。
サソリはじっと角都を見て、鬼鮫は一枚写真を撮った。
イタチは団子を食べてはいたが、目だけは角都を見ている。

「な!?な!?格好良いだろ!?」

飛段が一人で声をあげる。

「……予想外に整ってるな。うん」

「後ろから見たら大蛇丸みたいだな」

サソリの言葉に、鬼鮫も同意する。
イタチはひとしきり見たあと、再び団子に目をうつした。

「………これでいいのか」

角都はやれやれと頭巾と口布をつける。
飛段は興奮冷めやらぬ様子で、声を荒げる。

「なんでだよー。いつも顔だしてりゃいーじゃん!折角格好いいのによ!」

格好いい格好いいと言われて、気分が悪くなるはずがない。
角都は飛段の口を左手でふさいだ。

「……うるさい。それ以上言うと、口を縫うぞ」

角都が出ていった後、飛段はにんまりと笑った。

「これが!俺の!彼氏の顔!!」

皆、予想以上に角都の顔が良かった為、頷きながら手を叩くほかなかったのだった。





Fin





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -