ガイ班 | ナノ




歳の差(ガイリ・カカイル)








「ガイ、お前さ、ロリコンな訳?」

昼休み、珍しくカカシから話しかけてきた。
俺は丁度屋上で腕立て伏せをしている途中だった。
腕立て伏せを一旦やめ、胡座をかく。
カカシは俺に手に持っていた水を寄越した。

「は?」

「いや、違うか。ショタコン?って言うのか?」

「俺に聞かれても……ショタコンって何だ」

言わんとしていることは分かった。
リーと付き合っている事だろう。
カカシは俺の隣に座る。

「ま、俺としてはお前が誰と付き合おうが、別に良いんだけどさ…」

「?」

「何でリーくんなの?」

俺は貰った水を一口飲む。

「……何が言いたい」

人徳を欠いているとでも言いたいのか?
すると、カカシは少し目を見開いた後、笑顔に変わった。

「やだな。そんなつもりで言ったんじゃなーいよ。俺は恋バナがしたかっただけ」

想定外の言葉をに俺は驚いた。
恋バナ?恋バナって、恋愛話のあれか。
あのカカシが?

「お前好きな奴いたのか!」

「あれ、知らなかった?」

「全く!」

誰だ?
上忍の女でカカシに気がある奴なんでざらにいる。

「誰だ、それは」

「ナルト達の担任の先生」

担任………となると。

「?お前か」

「何でそうなるの。それだったら単なるナルシストでしょ」

本当は分かっていた。
アカデミーの中忍。
名をイルカと言ってた。
カカシも男を選んでいたのかとぼんやりと思った。

「俺の事はともかくとして、リーくんはどうなの」

「あいつは可愛いよ。真っ直ぐでひたむきで、何より根性と熱血がある」

勿論弟子としてだけではなく、恋人としてもだ。

「歳の差感じないの?」

カカシはぽやっと空を見上げる。
俺はうーんと唸った後答えた。

「歳の差はあまり感じたことないな」

「ふーん。じゃあさ」

カカシはこちらをチラリと見る。

「もうヤッた?」

「な!?」

心臓が大きく脈打った。
突然何をいう。俺は大きく咳払いした。

「カカシ、忘れたのか。この里には18未満とは交わってはいかんという法律があるんだぞ」

「つまりヤッてないわけか」

「当たり前だ」

「ふーん」

カカシがニヤリと笑った。
正直気味が悪い。

「甘酸っぱいねぇ〜」

俺の可愛いリー。
そりゃ何度も押し倒したいと思ったさ

でも大切にしたいからリーが18歳になるまでの我慢。

「お前の所はどうなんだ」

「俺?俺はもー毎晩っ」

「まっ、毎晩!?…イルカは嫌がったりせんのか」

「そりゃ恥ずかしいって嫌がるよ。だからイルカ先生が寝静まった後に襲う」

俺はイルカに少し同情してから、恐る恐る聞く。

「やっぱり、ローションとか持っていた方が良いんだろうか……」

リーが18歳になった時といっても、きっと痛がるだろう。
失敗はしたくない。恥を忍んでカカシに聞くことにした。
カカシは答える。

「いる。まぁ、最初はそれどころじゃなくなるんじゃない?」

「何故だ」

「まず他人に尻を触られる事になれないといけないからさ」

「そうなのか……」

言われれば確かにそうだな。
俺も他人に尻など触られた事がない。
きっと変な感触なんだろうな…

「あれ、リーくんじゃない?」

カカシが指差した方向の遠い道を見ると、確かにリーの様な服を着た人が歩いている。

「ま、リーくんが18になるまでに勉強しときなさいよ。じゃーね。」

そう言ってカカシが消えた。
俺は立ち上がり、屋上の柵に脚をかける。
リーが18になるまで後数年。
俺はその時を夢見ながらリーの方へと走った。
リー、それまで…いや、それからもずっと大切にすらからな。

「リー!」

俺の声が聞こえたのか、遠くでリーが手を振ったのだった。








Fin




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