ガイ班 | ナノ




お泊まりです(ガイリ)








「ネジ、テンテン。二人に相談があります」

空は快晴。
テンテンとネジはリーに呼び出されていた。
何事だと来てみれば、開口一番に相談があると二人に凄んだ。

「近い近い!…いきなり何なのよ」

テンテンはリーから少しだけ離れる。
ネジも同じだったらしく、テンテン同様、少し後ずさる。

「お泊まりなんです!」

「泊まり?どこにだ。任務か?」

ネジが聞き返すと、凄んでいたリーの顔が、ボッ、と赤くなる。
その様子で何の相談か察した二人は、お互いの顔を見、再びリーへと顔を向けた。

「………で、相談とは何だ」

ネジがため息混じりに聞く。

「僕は、僕は何をしたらいいのでしょうか」

「何をするって……どういうこと?」

テンテンが言う。
リーは素直に答えた。

「夕飯の後です!やはりトランプは必須でしょうか……あ!ガイ先生はUNO派でしょうか……」

その解答に二人は内心ほっとしながら、リーの相談に答える。
リーは1週間後、ガイの家にお泊まりすることになっていた。

「んー、それなら映画の方が良いんじゃない?」

テンテンが答えたあと、ネジもそれに同調する。

「そうだな。それなら映画を観ながら話したり出来るだろう。ガイとリーの事だ。ブルース・リーの映画とかが良いんじゃないか?」

その完璧な内容に、リーは目を輝かせて二人を抱き締めた。

「ありがとうございます!!二人は僕の永遠の友達です!!二人も何か悩んでいたら教えてくださいね!いつでも相談に乗りますよ!!」

普段なら暑苦しいと答えるところだったが、この嬉しそうなリーを見て、二人はまんざらでもないとリーの肩を抱いた。



それからと言うもの、ガイの家にお泊まりにいくまでの1週間は天国のような日々だった。
泊まりの日を指折り数え、人生で始めて体の無駄毛を剃った。
もちろん筋トレや修行も怠らない。また、それらも何時もより頑張れた。
全てはお泊まりの為。

(一緒に夕食の買い物に行き、一緒に夕飯を作り、一緒に映画を見たあとらしい一緒にお風呂………からの………)

それ以上は恥ずかしくて想像できなかった。






ーーーーーーーー





そして、お泊まりがあるXデーの前日の事である。
時刻は午後九時を回っており、パジャマに着替えてもう寝るだけだった。
明かりを消してベットに横になる。

「ああ……明日はガイ先生の家にお泊まり……」

わくわくして眠れない。
いくら寝返りをうって落ち着く体制をとっても、羊を何百匹数えても眠れなかった。

「あ!そうだ!!」

やばいやばい。忘れていたとリーはトイレへ駆け込む。

(ガイ先生の家で大を催したら恥ずかしいですもんね…)

だが現実はそう上手くいかない。
中々出なかった。
お腹にあるのはなんとなく分かるのだが、出そうで、出ない。
なんなら、もうすぐそこまで来ている感じはする。
リーはふんばった。
全ては明日のお泊まりのため。
みちみちと、それが出そうな感じがして、リーはラストスパートだとふんばった。
その時、それが勢いよく出てきた。
と、同時に肛門に今まで感じたことのない鋭い痛みが走った。そして、その痛みで何が起こっているのかリーは理解できた。理解させられた。

(切れた………)

ビキッとした痛みの後に、少し何かが流れていくのが分かった。
肛門とは凄いもので、肛門のどこが裂けたのかハッキリと分かる。
リーはトイレットぺーパーを取り、恐る恐るお尻を拭う。
そっとティッシュを見ると、そこには赤々とした血が、五百円玉くらいの大きさでついていた。

「…………………」

リーはティッシュとそれを、水に流した。
無言で下着とズボンを上げ、手を洗う。
手を拭いて、自分の部屋に戻って布団を被った。
リーは横になり、膝を抱える。

(……………………どうしよう)

さっきまでの興奮はどこへやら。
この一週間、リーは明日を楽しみに生きてきた。頑張って修行もした。
そんなリーが何をしたというのか。

(神様の意地悪……)

この時ばかりは、神というものに八つ当たりをした。







次の日、リーは張り切って用意した荷物を担ぎ、ガイの家に向かっていた。

(えーと、地図によればここらへん………)

昨夜の痛みはすっかりおさまり、リーは一安心。
ガイが書いた地図を見ながら目的地へと向かう。
蝉が鳴いていて、汗が首筋を流れていく。天気予報では一日中猛暑日だと言っていた。
リーは汗をぬぐったあと、地図に書かれているかき氷屋の角を曲がった。
すると、もうすぐそこ。10メートル先、突き当たりにガイの家があった。

(あれだ!)

走っていこうとしたが、目がかき氷屋へと向く。平日の真っ昼間だからか、客が3人しかいない。
店頭にサンプルが置いてあり、リーはじっと見た。
ピーチ、レモン、メロン、グループ、ブルーハワイ、イチゴ。
うーーん、と唸ったあと、ガイの家をチラリ見た。

(………大丈夫ですよね)

リーはかき氷屋の中へ入り、店のおばあさんに、かき氷2つを頼んだ。






ーーーーーーーー








(リー、リーよ。リーはまだか)

リーから10メートル離れた所、ガイの家で、ひとりそわそわしている家主いた。
今日は愛弟子兼恋人が泊まりに来ると言うことで、ガイはいつ来るか分からないリーを待っていた。

(やはり迎えにいった方が良かったか……?)

今から一週間前、泊まりの案が出た時に、ガイがリーの家の前まで迎えにいこうかと提案したが、それは叶わなかった。
リーが一人で行きたいと言ったからだ。
だから地図を書き、カカシにこの地図が分かりやすいか見てもらってからリーに渡した。

(うーむ。約束の時間まであと15分…)

ガイは、いつリーが来てもいいように準備できていた。
今日は猛暑日。いつもはつけないクーラーを効かせ、茶菓子も用意し、冷蔵庫には冷たい麦茶とアイス。昨日の夜から徹夜で部屋を掃除したので、埃ひとつたまってはいない。網戸も洗うという徹底ぶり。

(この時間をどうしたものか)

心臓がもたんとガイが唸っていると、ピンポーンとインターホンがなった。

(来た!)

玄関へとダッシュする。
ドアを開けると、そこには近所のかき氷屋のおばあさんが。

「わ、どうされたんですか。また戸が外れて直りませんか」

かき氷屋のおばあさんは独り暮らし。
手に負えないことがあるとガイがすっとんで行って、何かと手伝っている。
ガイの問いに、おばあさんには首を横に降った。

「いきなり、すまないねぇ。この子が両手塞がっててね。変わりにインターホン押したんだよ」

おばあさんが後ろにいたリーを前に出す。

「リー…」

リーは荷物がパンパンに入ったリュックを背負り、両手にはかき氷。ガイから見て左がイチゴ、右がレモンだった。

「すいませんおばあさん。こんなことまでしてもらって」

「いいんだよ。いつもガイ先生には世話になってるからね。じゃ、私は帰るよ。器はいつでもいいからね」

おばあさんは手を振りながら帰っていった。

「ガイ先生、すいません。少し早くつきすぎました……」

リーは謝った。
ガイは慌てて否定する。

「そんなことはない!むしろ早く来てくれて嬉しいよ。さ、暑いだろう。中には入れ。かき氷持つよ」

「すいませんありがとうございます」

リーからかき氷を貰い、クーラーが効いた部屋へ持っていく。
台所からスプーンを2つ持ってくると、それぞれかき氷にさした。
リーが部屋に入ってくる。

「わー、涼しいですね!」

リュックを置いてガイへと向く。

「そうかそうか。さ、かき氷を食べようか」

リーは元気よく返事をしたあと、ガイの向かい側へと座る。

「ガイ先生!どちらの味が良いですか?」

「ん、リーはどちらがいいんだ?」

ガイは内心、宙に浮いた心地だった。
これが現実なのか疑うほど。
それくらい幸せで、油断しているとにやけてしまうほど。

「僕は……うーん。レモンですかね」

「じゃあ俺はイチゴを貰おう。丁度イチゴの気分だったんだ」

そうして二人はかき氷を食べ始めた。
つめたいかき氷。

「うぐっ………頭がキーンとします」

「ハハハッ、リーよ、良いことを教えよう。頭がキーンとなった時は、冷たいものをおでこに当てるとすぐに治るんだ」

理屈は分からないが、昔ガイが自分の父親から教えてもらった事だった。

「そうなんですか!?知らなかったです!」

リーはレモン味のかき氷を一口食べる。
そしてガイの方へと近寄った。

「ん、なんだ。イチゴも食べるか?」

ガイがリーに向いたとき、唇を塞がれた。
一瞬何が起きたのか分からなかった。
目の前にはリー。唇には柔らかい感触が……あったのだが、自分の口をこじ開けられ、ぬるりとしたものが入ってくる。
それはガイの口の中を這いずった後、離れていった。
口の中には、さわやかな甘さが残った。

「………へへへ、ちゅーの味はレモン味ですね!」

もう、そこからガイはあまり記憶になかった。





気がついたらガイの目の前には床を背にして怯えているリーが目に入った。
服が破け、目にはうっすらと涙がたまっている。

「わ!リー、すまない!!」

組み敷いていたリーのから離れ、リーを起こす。

(何やってんだ俺…大切なリーを!)

ガイは自分で一発頬を殴った。
それを見たリーは慌ててガイの腕をつかむ。

「いえ!まさか服を破られるとは思ってみませんでしたけど……その」

ガイはリーを見る。

「その、初めてなので優しくしてくださいね…」

その一言でガイは救われた気がした。
ぎゅっとリーを抱きしめ、ガイは何度も頷いた。






ーーーーーーー







かき氷を食べてしまってから、二人はベットへ移動した。
何をするかは二人とも分かっている。
とりあえずカーテンをきっちり閉め、リーに向き直る。

「よ、よし。行くぞリー」

「はいっ!」

リーが元気よく返事をした。
ガイはそっとリーの肩を掴み、押し倒す。

(布団は洗濯済みだから、変な臭いはしないはずだ)

「…………」

お互い無言。
ガイはリーにキスをしながらするすると服を脱がしていく。

「んっ……」

リーが小さく声をあげた。

(………かわいい)

ガイは少し微笑み、下着に手をかける。
ガイの竿より小ぶりなリーのそれは、緩く立ち上がっていた。
睾丸を少し揉んでやり、お尻へと指を滑らせる。

「わっ…」

リーの体がビクッと動く。
ガイはそのまま穴を押したりなぞる。

(さぞかし可愛い声なんだろうな…)

わくわくしながら、そっと中指を入れた。
リーは目を見開き、口を開いた。

「いっ………たい!!!!」

「え!悪い、リー!」

ガイは指を引き抜き、指を見ると、赤い血が滲んでいた。

「え!!リー!?」

「痛い…………」

「わー!!すまんリー!!」

「違うんです…………これは」





ーーーーーー






痛みが引いた頃、事の顛末を話したリーは、顔を赤らめていた。
ガイは最初は驚いた顔をしたが、いきなり笑いだした。

「いやー、リー。それは災難だったな!」

「すいません。折角のお泊まりなのにこんなことになってしまって」

リーは自分のせいでガイに辛い思いをさせているのではないかと下を向く。
ガイはリーを押し倒して腕枕をしてやる。

「いやいや、むしろ俺しかしらないリーを知れた!今日はそれで充分だ!」

リーは、ふふっと笑いガイに抱きついた。

「好きです!ガイ先生!」







だがリーは知らなかった。
切れ痔が中々治らないことを。





Fin


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