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仄暗い井戸の底から 解説

おはにちばんわ、きいちです。
今回はpkmでのお話のひとつ、『仄暗い井戸の底から』について、少し書きたいと思います。

大分前になりますが、このお話の解釈を知りたいとコメントを下さった方がいらっしゃいました。
他にもそれまでに、不思議な話だとか色々感想頂けた話でして、まぁ私自身はそれを狙っていたところもあるので嬉しかったんですが(笑)、でもたしかに、曖昧な話ではあると思います。

本家ピクシブ(企画用だったので)にも解説は一切載せませんでした。私は謎のままでもいいかなーと思ったんですけど、せっかくなのでサイトにだけ、少しお話したいと思います。

し、か、し。
ひとつ、問題があります。
たしかに私は、このお話に色々な隠喩など想いをぶち込みました。
が、書いたのはもう去年の6月の話で・・・。その後がとてもワタワタした年だったので、実言うと、しっかり解説できるほど、覚えていないんですね・・・。
なんとなくこういう意味っていうのは覚えていても、解答に当たるものをさっぱり忘れてしまい、自分で自分の作品を解釈するという、謎の状況が起こりました。真実?は過去の私に聞かなきゃわからないので、ある意味迷宮入りですね←。

とはいえ、解説としては、なるべく見る価値のあるものを書きたいと思います。
私自身、この作品だけはなかなか色々詰め込んでるな〜と関心しますw←。と申しますのも、後のはなしではありますが、私が書いたゴルビ作品のほとんどに通じるものがあるんです。不思議ですね〜( 」´0`)」

それではそろそろ、本題といきましょう。


まず初めに、この話の解釈ですが、特にこれと決まったものはありません。

というか、なくなったのです。これを書いていたときの設定でお面ルビーは、『ルビーの姿を借りたゴールドを恋い慕っていた全く他人の女性』でした。しかしゴルビ企画に提出する作品として、ゴールドにキスまでするルビーが赤の他人の女性ってどうよ?と思い直し、その設定をなしにした結果、お面ルビーの存在がとても曖昧なものになりました。

意図せずでしたが、こうして不安定で不確定なお面ルビーが誕生しました。この話で一番印象深い人物であり、尚且つホラーな感じまで醸し出してくれて私自身とても満足でしたが、書いた本人ですらお面ルビーが一体誰なのか解らないという状態になってしまいました( 」´0`)」

ですので、本当は、彼が一体誰なのか、わからないのです。


ですが、代わりにお話の内容を解釈する、キーワードのようなものはあります。
そしてこの、当時考えていた隠喩のようなものが何を意味するのか、詳しいことを忘れました。書いた本人なのにね(´;ω;`)!

ただ、上記したとおり、後にこの話が密かにシリーズと化しているため、私のゴルビワールドに通ずるキーワードを取り出して、解説することにします。覚えてる限りなので、曖昧なものもありますが・・・すみません。


◇お面のルビー

作中の人物。ゴールドに憎まれ口を言うものの、物静かでそんなにゴールドを嫌っている様子もありません。
お面自体は何でもいいのですが、お面をつけていることによって顔が見えません。それは彼が人間なのか怪物なのか幽霊なのか不確定にするためです。しかしお面を外したときルビーの顔があったので、ルビーそのひとではあるようです。
しかし、作中ではお面を外しルビーの顔が見えた時から、彼の文中表記が『ルビー』から『少年』に変わっています。やっぱり、ただのルビーではない・・・?
それと、浴衣の襟が逆だと気づいたのも、ここからでしたね。


◇雨とルビー

雨が降ったことを気にしているルビー。なんでそんなこと気にしているのか、とりあえず昔の私に聞きたい・・・(´・_・`)

何と無く思い出せるのは、雨に限らず水自体が気になっていること。そして、ルビゴ作品『交差点に、花』と関連している・・・? そこでのルビーにとって雨は、ゴールドの心を捕らえているもの、そして自分が死んだときの天気です。
また、これは後の作品ですが、ゴルビ作品『メメント・モリの部外者』でも、ルビーは雨の日に交通事故で生死をさ迷う大怪我を負ったこともあります。水難すぎる。


◇草の露

全く意味がわかりませんでしたが、微妙に思い出しました。
これは伊勢物語に書かれたある一首『白玉か何ぞと人の問ひしとき露と答へて消えなましものを』が元ネタだったと思います。

当時の私は古文のこういった短歌などに込められた素敵な意味や日本語が大好きで、授業そっちのけで読みふけっていました。そのなかでこの一首の一連の物語をとても気に入って、それをモデルにした作品が後に書いたルビゴ作品『幸福なユメ』なんです。

確か、この話を書く前から『幸福なユメ』はほぼ完成していて、それと繋げられるようにしたんだと思います。『幸福なユメ』自体は、オチに困って完成がだいぶ後になってしまいました。『幸福なユメ』を読んで頂ければ、どことなく伊勢物語のそれに雰囲気が似ているところがあると思います。

しかし、問題は、なぜお面ルビーがそんなことを聞いたかです。
それは『幸福なユメ』で起きた出来事を、知っているからってことになりますよね?そして、伊勢物語の一首の意味も考えると、ルビーのセリフは・・・?

さらにいうと、初期設定の『お面ルビーくんは他人の女性』と伊勢物語の死んでしまうお姫様も照らし合わせられるようになっています。

さらについでをいうと、草の露がのった葉に『夏草』と書いているのも、おそらく芭蕉の俳句の影響だろうなぁと思います・・・( 」´0`)」


◇金魚

金魚は、わたしの中でゴルビそのものの隠喩として使っています。
赤色なのに金の魚。ルビーでありゴールドであり、ゴルビでありルビゴでもあります。これとは別にゴルビの金魚シリーズがありますが、そちらでは金魚=ルビーです。

しかし、この話での金魚はよくわかりません。忘れたのか、最初から考えてなかったのか・・・。ただ、金魚シリーズ第一弾『金魚鉢のたとえ』を意識していたと思うので、強いて言うなら金魚=ルビーなのかもしれません。

ただ注目することは、ゴールドが心ここに在らず状態で金魚をぞんざいに掬っているから、一匹も手に入れられていないということです。そして、金魚を見つめるだけで参加しないルビー。手先が器用な彼が、金魚掬いなんか本当に苦手なんでしょうか・・・。


◇ホウエンにいるルビー

作中で最後にゴールドと電話越しで話すホウエンなうなルビーくん。
今読むと彼もけっこう怪しいですよねwwですが、これを言ったら解釈の幅が狭くなるかもしれませんが、彼の言っていることはすべて『真実』です。

ルビーくんは『真実しか喋っていない』ので、ゴールドの言い分とは矛盾しています。
それじゃあ、お面ルビーくんは『嘘しか喋っていない』のでしょうか?


◇お話のタイトル

いうまでもないのですが、知る人ぞ知る有名な邦画ホラー『仄暗い水の底から』から頂いたものです。
しかしこのとき、この映画はまだ未視聴でした。だから映画本編とはなんの関係もなく、言葉の雰囲気がすてきだったから使っただけです(´・ω・`)

井戸なのは、邦画ホラーのリングから。
当初の設定『お面ルビー君に扮した他人の女性』は、水死したという設定だった名残です。
ですが、それが女性じゃなくルビーくんだったとしても、井戸の底からやってくると思います。

ちなみに、『幸福なユメ』のルビー君の死体は川に捨てています。



ふー・・・こんなものでしょうか_(:3 」∠)_
ながいですね〜。読みながら書いてると意外と思い出して、いろいろ書けたことはよかったのですが、なんだか単に謎が増えただけのような気がします( 」´0`)」

ここまで書いておいてなんですが、この話は、みなさんが自由に解釈を考えていただくほうがいいと思います。そのどれもが正解であり、間違いであり、嘘であり、複数ある『真実』なんです。

真実が複数の時点で、それは真実じゃないのかもしれませんがね(´-`)


解説は以上で終わりです。
楽しかったですw時間が経過してから見直すのもなかなか面白いですね( 」´0`)」
この解説で、みなさんがより一層このお話を好きになってくださると本望です。

ここまでお付き合いありがとうございました!



2013/11/10 01:18

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