立海を卒業してもう3年が経った。
俺は高校を卒業して今は専門学校に通ってる。

中学時代、付き合っていた仁王とは高校が別々になり、
たまに会うとか、テニスの試合会場で会うとか…
家は割と近いのに全然合わなくて。
そしたら、いつのまにか連絡も取れなくなくなっちゃって。
しかも、専門学校とか入ったけど勉強が忙しくなっちゃって。

ここんとこ、毎日のように携帯ながめては溜息ついてるんじゃねーのかってくらいに、
なんかモヤモヤしてる。

「偏見もなくなったのになー。…合いたい。」
一人、夕飯作りながら呟いた。

一年前くらい、ずっと偏見のあった同性愛が法律でなくなった。
今じゃ、有名人にも同性愛者がたくさん居る。
俺の友達も同性愛者で彼氏がいる。
仲よくしてんの見るだけで、仁王を思い出して胸が締め付けられる。

この前、いつ会ったのか思い出してみたら、
たしか一年前に近所のテニスコートだったような気がする…。
気分転換に散歩しようと歩いてたら、テニスのボールを打つ音がして
立ち寄ったら、仁王が壁にボールを打ってた。
俺は久しぶりに仁王に会えたのが嬉しくて
「仁王〜」って呼びながら近づくと仁王は、
「おう、ブン太。」ってそっけない態度でさ。
話かけたの失敗したなって思ったんだっけな…。

「はぁー…。」
自分で思い出しておきながら、凄く寂しくなった。
中学時代は毎週のように、偏食な仁王のために
飯作ってたんだっけ。…なつかしい。
また、あの頃に戻りたい。

色々考えてたら、案外腕は働いたらしく、
メインのハンバーグがもうフライパンの上で音を立てながら焼けていた。

そして、俺は一人寂しい夕食を食べた。
まぁ、毎日のことだしなれたけど、こうやって昔のことを思い出した時は
寂しい気分になる。前は俺の周りには笑顔になれるモノが人が、たくさん居たのに。
今は食器の擦れ合う音や、テレビから聞こえるさほど面白くもないバラエティー。

考えれば考えるほど悲しい感情に包まれてしまう。
俺は夕食を食べ終えると明日シャワーを浴びれば良いと、
そのままベッドに倒れこんで寝た。




ー次の日。
朝の目覚めは最悪だった。
夢の中で仁王が知らない女や男と仲よく歩き、
俺が呼びかけても反応しない。
おまけに、いくら追っかけても追いつかない。

最悪だ。もう、俺のことなんて忘れちまったのか…。
この夢が正夢なんかにならないで欲しい。

昨夜、風呂に入っていないことを思い出した俺は、
悪夢と疲れを流す為シャワーを浴びた。

シャワーを浴びたからといってすべてが流れたわけではない。
まあ、気休めにはなったのか、少し落ち着いた。


シャワー浴びたあと、髪乾かしながら、飯作って
支度して学校へ向かう。


駅のホームに向かうため階段を登っていると
後ろから声をかけられた。

「ブン太ー。おはよ!」

「おう!おはよー」

振り向くと同じ学科の勇太だった。

「今日も混んでるなー!あ、そうそう、
お前さ、仁王雅治って人の恋人なんだろ?」

「…あー、まぁ…っはぁ!?んで、知ってんの!?
俺、お前にそのこと言ってねーよなっ!!??」

いきなりのことで思わず大声を上げてしまった。
けど、人が多いこともあってそんなには響かなかったらしい。

「ははぁー。やるじゃんブン太!!
たまたま、俺のバイト先が改装する予定でさ、
その改装やってくれるのが仁王さんなんだよねー」

「まじか!ってか、なんでそんなんで解ったわけ?」

「いや、この間の研修の時の写真を現像してる時に来たからさー。
写真見て、この赤髪丸井ブン太でしょとか聞いてきてこっちもビビッた」

「ふーん、そうなんだ」

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