「ねぇ、真田?」

「ん?」

今は太陽も高くまで登っている午後2時頃。
俺の家で真田とゆっくり過ごしている。

「なんかね…。」

こうやって他愛のない会話をするのは何週間ぶりだろう。
真田は警察官で隣の市の交番に勤務している。
だからこうやって会うのは本当に久しぶり。

「そうなのか。」
とかたまに相槌を打ってくれて
俺のどうでもいいような話を聞いてくれる。

「ねぇ、今度はいつお休みなの?」

「たしか…来週の…金曜と土曜だ。」

カレンダーを見ながら答える真田。
若年寄なせいか中学時代に比べるとずいぶん若く見える。
話し方もずいぶん堅苦しくなくなったし。

「んじゃあ、俺ん家…いや、真田の所に行くよ。」

「別に俺がここに来たっていいんだぞ?」

「いつも来てもらってるから。
それに真田ん家にたまには行かないとね。
ゴミ屋敷になっちゃう。」

笑いながら言えば、
そうだな、と真田もつられて笑い出した。

中2のころから付き合いだして、今19歳になってる。
っていうことは真田とはもう6年も一緒にいるのか。
早いような短いような…。

「ねぇ、知ってた?俺らもう6年も付き合ってる!!」

「ああ。知ってる。正確には5年と9ヵ月。」

え。そこまで正確に覚えてるとは思わなかった。
俺が驚いた顔してると、

「な…、前に記念日だかなんだかを俺が忘れて
幸村に怒られたから覚えていただけだ。」

え、そんなことあった?
自分が怒ったのに忘れるなんて。

「そんなことあった?まあいいや。
…ありがとう、真田。覚えててくれて。」

「礼を言われるほどのことではない。」

「真田のそういうとこ好きだな。
俺のわがままに付き合ってくれるし。」

ふと思ったことを口に出してしまった。
別に恥ずかしいこと言ったわけじゃないけど。

でも、真田は顔を真っ赤にしてる。

「…長い付き合いだからな。
それに昔に比べたらわがままじゃなくなったぞ?」

まだ少し照れながらそう返してきた。

「ホント!?ちょっと気を付けてたんだよね。
妹に言われたんだ。わがままだと嫌われるって。」

「そうなのか?」

また、他愛の無い話が始まった。



そして気が付けばもう日も落ちて空が
あわいオレンジ色に染まっていた。

「あ、もうこんな時間だ。」

「そうだな。また家で過ごすだけの
休日になってしまったな。
出掛けなくて大丈夫だったか?」

「ううん。出かけなくても、こうやって
真田と過ごせれば幸せだよ。」

真田のもとに近寄って手を握った。

「そうか。…俺も幸村と過ごせて幸せだ。
俺も勤務中にやすやす死ねんな。」

そっか。真田は命かけて仕事してんのか。
治安を守るのも大変なんだよな…。

「本当だよ。俺を置いて死んだら、
地上からずっと呪ってやる(笑)」

「…それはやめてくれ。」

真田の一言に笑うとつられて笑い出す真田。

「いつまでも、一緒に居てね。
苦労をかける、けど。」

「幸村にしてやるのは苦労なんかない。
幸村が望むかぎり一緒に居る。」

愛しい人と一緒ならば
どんなことでも幸せな思い出になる。

「これからもよろしくね。」

ボソッとつぶやく。
真田の耳には届かないような声は空気中へ消えた。

真田と一緒に居る時間。
これが俺の幸せ。


end


6年後設定!!

幸村は大学生で真田は警察学校にいると思う…。

警察学校を調べたら、初任科だかが終わると
実習があるらしく交番とかに行くらしいんですよね。
たぶん…。
だから交番勤務中的な…。

これからもうちょっと調べます。

ついでにこの幸せはシリーズなんで、
5話くらいあります。

そんなに面白くないかもですが
お楽しみに!!


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