次の日。
幸せ気分いっぱいでいた俺のもとに柳生がやってきた。


「丸井君。こ…これをに…仁王君に渡してもらえませんk」

「自分で渡せよぃ」

「ダメなんですっ!!」


乙女モード全開な柳生に必死に頼みこまれ
渋々、仁王への手紙を受け取った。


見ちゃいけないとは思うが紙っきれ一枚だけじゃ内容が読めてしまった。


昼休みに裏庭に来てくれ…か…。

裏庭って噂の告白スポットじゃん。
それに柳生の必死ぶり……。


気になる…。


仁王には何事もなかったように手紙を渡した。


そして、昼休み。
仁王は手紙の内容通り裏庭へ向かった。


俺は仁王のあとをこっそり付けて、
草むらに身を潜めていた。


数分後、柳生がやってきて、
真っ赤な顔しながら口ごもってる。


「に、仁王君、来てくれてありがとうございます。仁王君にお話があって…」


「なんじゃ」

明らかにだるそうな仁王。普段からこんなんだったっけ…。


「あ、あのですね…もしよろしければ私とお付き合いしていただきたいのです。
あ、恋愛的意味で、ですよ。」


ほら。ビンゴ。

でもなんか仁王断りそうな雰囲気してるし…。

「…悪いの。無理じゃ。俺、好きな子おるけん。ちっこい割によう食うし、笑顔が似合うかわええ子が。」


ポタ…。
何かが手に落ちてきた。
自分の顔を触れば涙が溢れてて。

柳生の事は断りそうだって分かったけど
仁王に好きな子が居るなんて。


「ブン太…。」


優しい声が上から降ってきた。
目を上げると仁王が優しい笑みを浮かべ手を差し伸べていた。


「笑顔の似合うかわいい子。お前さんのことじゃよ。ブン太。」

「…え?」

俺は吃驚して固まってしまった。

「ほら、こっちきんしゃい。」

そう言って俺の腕をつかんでヒョイと持ち上げられた。

そしてぎゅっと抱きしめられる。

「お前さんが好きじゃ。付き合ってくれんかの。」



耳元で響く仁王の声。


「…ほんとに?」

「うん」

「ホント?」

「ほんとじゃって。」

「ホント?」


「あー、もう。」

いきなり頭を押さえられた。
すると唇に柔らかい感触がして。


「伝わった?」


「…うん。俺も仁王のこと好き。」

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