目線の先に
「ワタクシ、どこかおかしいのかもしれません。」
「・・・インゴ、イキなりどうしたの?」
「最近、ワタクシある人を無意識に目で追ってしまうのデス。」
そう、ワタシの目はいつも探している。
日本支部のバトルサブウェイで出会ったあの方を。
数日前、ワタクシ達はとある事情で日本支部のバトルサブウェイにきておりました。
話し合いなどをした帰り、ワタシはホームで人とぶつかりました。
その方が倒れそうになったのをワタシは慌て受け止めました。
その時からなのです。あの方が頭から離れないのは。
名前も知らないあの方を、ワタシはいつも探しているのです。
「・・・」
「インゴ、それって恋じゃナイノ?」
「恋、ですか?」
「うん、キット恋」
「そうだ!明日、日本支部に遊びに行こうよ!」
「明日ですか?」
「そう、明日。丁度ノボリから来ルようにいわれてる。」
「何故、ノボリ様から?」
「なんか、インゴに合わせたい人いるって。」
「合わせたい人?」
「ボクもワカンナい。まず明日日本支部に行く。そのついでにインゴ、アノ人探せばいい。」
そうエメットに言われて、日本支部に来たのはいいのですが、ワタクシ今目の前の光景が信じられないでおります。
なにせ、ワタクシの目線の先には以前ホームでお会いしたあの方が立っているのですから。
「インゴ様、聞いておられますか?」
「すいません、ノボリ様。少しぼーっとしていたもので。」
「大丈夫で御座いますか?」
「ええ、」
「では、改めて。インゴ様、こちら鈴那様です。」
「この間は、転びそうになった所を助けていただき有り難うございました。喜多川鈴那って言います!」
「北米支部サブウェイマスターのインゴと申しマス。」
やっぱりまだ信じられません。
あの方、喜多川鈴那様にもう一度会うことが出来るとは、
話を聞くと、鈴那様は日本支部のバトルサブウェイの常連で、バトルの帰りにワタシにぶつかり倒れそうになったのをワタシ助けられ、どうしてもワタシにお礼が言いたくてノボリ様にワタシのことを訪ねられたのだそうです。
ワタシと理由は違えど、探してくださったのは嬉しい限りです。
そんなことを考えていますと、鈴那様がワタクシに話し掛けてこられました。
「インゴさん」
「はい、何でしょうか鈴那様」
「少しこの後お話できませんか?」
「ええ、構いませんが、」
「有り難うございます!」
また、会うことができたワタシの好きな人。
鈴那様がワタシの大切な人になるのはもう少し先のお話。
最後、恋人フラグをムリヤリ立てた
切甘夢になったかは、自信が・・・
こんなのでも喜んでいただけるなら幸いです。
ねあ様のみ持ち帰り可
by磯崎蓮
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