「取って来るから、適当に座ってて」



名前がまとめた資料を受け取りに、フーゴは朝から彼女の家に訪れた。

部屋に通されて、じろじろと失礼にならない程度に室内を見渡してみる。
フーゴにとって名前の家は、いつもはデートや任務の帰りに彼女を送り届けるだけで、中に入るのは今日が初めてだった。


「ええと、どこから必要だったかな…」

朝食の途中だったのだろう、テーブルには紅茶のカップとヨーグルト、まだ温かそうなトーストが齧りかけで載っている。
ヨーグルト用に盛られたイチゴの内の一粒を、奥の部屋から戻ってきた名前は資料のファイルを捲る片手間に摘んで口に入れた。


フーゴは言われたとおりソファーにかけながら、彼女のその動作に官能的なものを感じて見入ってしまう。

小さく赤い実を摘み上げたしなやかな指。
果実の纏っていた水滴に濡れた唇は、イチゴに負けないほど瑞々しく、美味しそうに見える。

"食欲"をそそられて、喉がゴクリ、と鳴った。

「フーゴも食べる?」

視線に気付いてこちらを向く彼女の笑顔が、フーゴには自分を誘惑しているように思えた。


「…ええ、いただきます」


立ち上がり、引き寄せられるように近づいて、その魅惑的な唇にキスをする。

名前は一瞬驚いたがすぐ目を瞑り、そのまま二人でもつれ合うようにしてソファーに倒れ込んだ。





名前の口は、果汁と唾液が混じってひどく淫靡な味がした。

夢中になって舌を吸い、絡め合わせる。

絡んだ舌と舌の間で果肉が押し潰れ、はじけた汁が口の端から溢れて垂れた。

勿体無い。

零れ伝う甘い液を追って彼女の首筋から胸元へ、フーゴはその滑らかな肌に口付け、舌を往復させて果汁を舐めとっていく。



「ずいぶんと熱心、だね」

名前はくすぐったそうに笑いながら、自分の胸元にいるフーゴの髪を撫でつける。

その手つきはただ優しくて、まだフーゴがふざけているだけと思っているようだった。


「好物ですから」


「イチゴ?」


「あなたの方です」


「ん、っ」

まだ淡く甘い味の残るそこをちゅっと音を立てて吸い上げると、名前は小さな声をあげた。

唇を離したそこには内出血の痕が赤く落ちている。


そのまま服をはだけていき、身体中にキスを繰り返すと名前の上に赤いイチゴが散ったようになった。


スカートもたくし上げて、露わになった太腿の付け根にも口付ける。

「あ…」

秘部近くを触れられて名前は身を震わせた。


「…いいですか?」

今更過ぎる質問。

「うん…」

断られてもやめないつもりだったけど。

フーゴは名前が頷くのと同時に邪魔な下着を取り払い、指と舌をそこへ這わせた。

まだあまり濡れていないそこを唾液で潤しながら、それを指で絡めて突起を嬲る。


「あんっ、んん…」


反射的に閉じようとする名前の脚を押さえて、中が充分に潤滑するまで指をゆっくりと出し入れを繰り返す。
名前の中が徐々に反応してくると、今度はもっと早く、抉るように。


「んん、っ、もう、大丈夫…だから…」

執拗な責めに名前が音を上げて、満足したフーゴは自分も服をゆるめた。


そうして窮屈なソファーの上、二人は正面から繋がり、お互いきつく抱き合った。

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