深夜名前が物音に目を覚ますと、窓際に狼男が腰掛けていた。

動物の毛皮で出来た服を纏い、月光に煌めく銀髪の頂上には獣の耳が二つ並んでいる。
開け放った窓から射す月明かりの逆光で薄い影が大きく伸び、それが彼の姿をより魔物めいて見せていた。

こちらをじっと見据えている人間離れした光り方をする瞳に、薄く開いた口元から覗く牙。

その妖しい容貌に驚いた名前が起き上がってよく見てみると、その男が見知った顔であることに気が付いた。

リゾットがこんな悪ふざけするなんて珍しい、それに残念ながら今日は満月じゃないよ。

名前がそう言って笑うと、彼はいつもの真顔を崩さずに「男はいつだって狼だ」と冗談のようなことを言った。

台詞の陳腐さとは裏腹な、その眼光の刺すような鋭さに名前の心臓はドキリと跳ねる。

内心の動揺を隠すように彼女はまた明るく笑ってみせたが、足音を立てずに忍び寄ってきたリゾットに静かに押し倒されて、やっとそれが冗談ではないことを理解した。

逞しい腕に寝衣の前をはだけられ、首筋から鎖骨にかけて丁寧に舐められる。

喉元にかかる生暖かい息、ざらついた舌。

視線を向けると、獲物を前にした狼のような獰猛な瞳が胸元で光っている。

今にも牙を立てて薄い肌を食い破られそうで、名前はギュッと強く目を瞑った。

「怖がらなくていい」

そんな名前にリゾットは耳元で優しく囁く。

「噛みつきはしない。逆にお前が俺を食べるのだからな」

リゾットがそう言って服の内から取り出した赤黒い肉茎を、涎を垂らした下の口が美味しそうにのみこんでいく。

なんと甘美な肉欲の味!

彼はしなやかな筋肉を存分に使って名前を責め立てた。

前から押さえ込む格好から抱き上げて向かい合わせになり、唾液を交換しながら体全体を揺さぶる。
そして後ろから獣のような体位で体を繋げて。

奥深くを激しく突かれ、野生の悦びに名前は声をあげた。

こうして二人は二匹になって共に獣の夜を貪った。

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