恋 心

高層ビルの最上階から眺める夜景は綺麗だった。
地上では、車のヘッドライトの白い光とテールランプの赤い光が、まるで川の流れのようにきらきらと揺らいでいる。
薄暗いバーのカウンターに座りながら、俺とハロはそれらを黙って眺めていた。
肩が触れ合う度に胸がときめいて、それはまるで思春期の恋心を思い出させる。
もしかしたら、それ以上かもしれない。
隣に視線を向けると、それに気付いたハロが少し恥らうような笑顔を見せてくれて、もっと彼女が愛しくなる。 
それなりに歳を重ねてきた男が、こんなにも単純にときめいてしまうなんて。
ハロが好きだ。
ハロに触れたい、愛し合いたい、自分のものにしたい。
今、俺の胸の中はハロへの想いで満たされていた。
二杯目のジェムソンを飲み干すと、少し遠くに見えていた東京タワーのライトアップが落とされる。
午前零時を告げる光の消灯がまるで合図であったかのように、俺達はどちらからともなく見つめ合った。
ハロの身体を引き寄せ、ゆっくりと顔を近づけていけば、俺の行動を許すかのように彼女が大人しく目を閉じて、重なった唇を受け入れる。
ずっとこうしたかった。
こうなる事を何度も思い浮かべた。
それが今、現実になったのだ。
幸せを感じる。
本当に、思春期の少年に戻ったみたいだ。
そっと唇を離せば、小さく震えたハロの肩もまた、まるで少女のようで。
少しだけ潤んだ彼女の瞳を見つめながら俺は、二人が同じ気持ちであればいいと、心からそう願った。




名前は出て来ませんが、勿論ニールさん(ライルさん
(※今は拍手夢なしです)







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